二次元交通社

鉄道、アニメの舞台探訪、ライブの遠征…偏った旅

島根よいとこ一度はおいで~サンライズで山陰へ~

フィンランドの次のネタ、色々アイデアはあったのですが一番まとまりそうという理由から3年前の山陰旅行となりました。

このときの行程はざっとまとめると、

サンライズ出雲車中泊。翌朝、米子で乗り換えて境港。その後バスで松江へ、この日はしんじ湖温泉で一泊。

二日目は一畑電車で大社へ。一日堪能して出雲市で一泊。

三日目はレンタカーで石見銀山に行き、そのまま益田の叔父の家へ。

最終日はアクアスに行って石見空港から帰京。

という感じ。

島根に行った理由は結婚直後で「叔父に結婚報告してこい」という家の都合もあったのですが、やっぱりサンライズに乗っておきたいというのと、女子旅のメッカともいうべき出雲や散々堪能してきた石見に妻を連れて行きたかったという二つの理由が大きかったと思います。

 

ところが大体の行程は手配できたものの、一番の楽しみでもあったサンライズは流石というべきか混んでいて、発売日当日に某旅行代理店にシングルツインで10時打ちを依頼していたものの敢え無く撃沈。

ほかの個室もあたったものの全く空きがなく、諦めて飛行機で米子に飛ぼうかと考えながら迎えた28日前割引最終日。

ダメもとで仕事帰りに出札に聞いてみたところ、まさかの希望通りのシングルツインを確保できたことで無事に予定通りの行程を組むことに成功しました。

ちなみにサンライズがダメだった時は朝一番の米子空港行きに乗るはずでした。しかもプレミアムクラスと普通席の値段差が大したこと無かったのでプレミアムクラスで。

サンライズ乗れてよかったですけど、これはこれで楽しい往路になっていたでしょう。

 

 

○もうシャワーは諦めろ

迎えた当日。

サンライズの東京発は22時ジャスト。仕事して残業しても全然(かどうかは業務量次第)間に合うぐらいの時間。

過去に下りサンライズ(瀬戸)は2回乗っていますが、初回は仕事後に実家に帰って夕飯を済ませて横浜から乗車して風呂は車内のシャワーで、二回目は仕事を普通に終わらせてお風呂に入って適当に夕飯を済ませて東京から乗車。

さて、今回は?

お風呂に入るならアキバの江戸遊かなぁ…でもそうすると食事の時間がなくなりそうだし(2回目のサンライズとは職場が違うので退勤時間が若干遅くなっている)、電車にシャワーあるから夕飯ついでに飲んで乗ってからシャワー入ればいいかという結論に達しました。

そんなわけで終業後に適当に飲み屋に入って飲み、21時過ぎに東京駅に到着して妻と合流。

妻は時間があったので、一旦家に帰っています。

ホームへ向かう前に、夜のお供と翌朝の朝ごはんを確保。このあたりは夜行列車に乗り慣れていると加減も分かるというものです。

 

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21時45分ぐらいだったでしょうか、今宵の宿が到着。

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今日の寝床、サンライズ出雲

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12時間ぐらい掛けて出雲まで走ります。僕らは途中で降りますが。

妻は初夜行列車でちょっとテンションあがっていました。

 

発車までの時間はだいぶ余裕があったので、一旦自室に荷物を置いてからホームへ出てふらふらと回ります。

流石に最初に寝台が取れなかっただけあって、結構な人が車内にもホームにもいました。

 

22時ちょうど。サンライズ出雲発車。

扉が閉まり動き出す、非日常が始まるこの瞬間がたまらなく好きです。

さぁ、無事に動き出したところでシャワーを浴びるためにロビーへ。

シャワーを使うにはシャワーカードを買う必要があります。

 

えぇ、結論から言うとシャワーカードは売り切れていました。

いや、初めて乗ったときは横浜から乗っても買えたので油断しきっていましたね。

発売枚数がどのくらいかは不明ですが、いかんせん列車という使える水の量が限られる空間なのでシャワーを使える人数も限られています。

なので、どうしても使う場合は東京に列車の扉が開いた瞬間に券売機にダッシュする必要があります。

基本はできるだけ乗車前に銭湯かどこかで汗を流すしかないようです。途中駅から乗る場合は特に。もう車掌から買う方式に戻してくれ…。

 

諦めて部屋に戻って流れる車窓を眺めながら飲みなおし。

シャワー浴びられないと分かった瞬間から感じる気持ち悪さは我慢するとして、夜行列車で飲む酒は普段の1.5割増ぐらい美味しいです。

二人でダラダラと過ごしていましたが、妻は日付が変わるぐらいで床に。

 自分は興奮と汗による気持ち悪さ寝るに寝られず、結局静岡ぐらいまでは起きていました。

 

○岡山は時間があるようで無い

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翌朝6時。天気は晴れ。

山陰に出たらどうかは分かりませんが…。

動物との接触も無く(よく関ヶ原あたりでぶつかる(初乗車の時は鹿轢いた))、ほぼ定刻どおりに走っていました。

しばらくすると岡山に着くというので、リフレッシュと買い物を兼ねて一旦ホームへ降りることにします。

 

岡山はホームのちょうど中ほど、瀬戸と出雲の連結面あたりにキオスクがありました。

出雲の停車時間は7分ほどあるので、普段であればちょっとした買い物ぐらいなら余裕でできます。

しかし、考えることはみな同じ。キオスクはあっという間に長蛇の列に。

並んでいる最中に瀬戸が発車。乗り遅れが居なければいいのですが…。

僕らはその直後にさっさと飲み物だけ買って一番近い乗車口から乗車しましたが、まだ列は消えず。

ホームではしきりに「もう出発するから車内へ戻れ」と放送していました。

自室に戻る頃には発車。

混雑具合にもよりますが、岡山の停車時間で食料調達は止めたほうがいいです。

岡山でできるのはせいぜい自販機で飲料買ったり、瀬戸と出雲の解結作業を眺めるぐらいでしょう。

列車内は当然空調も効いているので、真夏でもよほど生ものでなければ食事も一晩は痛まずに持つでしょうから、必ず前夜のうちに朝食は確保しましょう。

 

○広くは無いけど二人がいい

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今回乗った部屋はシングルツイン。

先代の出雲やトワイライトエクスプレスにも存在した1・2人兼用個室です。

基本のスタイルは変わっておらず、1人のときは上段をベッドとし、下段はソファ。2人利用のときはソファを転換してベッドにというものです。

同じくサンライズに設定されているサンライズツインは完全なる2人用個室で、床面積としてはそちらの方が広くて居住性は高いようです。

ついでに1階の車両中央にあるため、静かで揺れが少なめとも言われています。

一方、シングルツインは線路方向に並ぶベッドを備えた部屋が通路を挟んで2部屋あるため(感覚的に言うと普通の特急電車の座席の部分に個室がある)床面積は狭く、荷物を置いたり広げたりするスペースが余りありません。

また、車端部の台車上にあるため車両中央に比べるとどうしても音がして揺れる感じはあるかと思います。

ついでに2段ベッドゆえにサンライズツインのようにそれぞれのベッドに腰掛けて向かい合って会話することはできず、下段ベッドに並んで座るような格好に。

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それでも天井は高く、上段ベッドは2階席に当たる位置の窓があるため眺めも良好で、下段も通常の平屋部分の高さなので眺望には問題なし。外の景色を楽しみたい人にとってはこちらの方がいいです。

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上段ベット、こんな感じで良かったですよ。しかし一晩使っただけなのにやたらと生活感が出てるな…。

ともかく。せっかくの旅なのでたまには2段ベッドもいいと思いますよ。

ちなみに、過去シングルとソロを使った身からすると、一人で使うにはちょっと持て余すような気もします。

確かに一人で使えば下段を居住空間として使うことができますが、シングルとの差額を出してまで必要か?とも思うし、そこまで使う時間あるか?とも思うし…。

正直、シングルで十分な空間は確保できますし、どうしてももっと余裕がというのならば(きっぷが取れるかどうかは別にして)シングルデラックスに乗ったほうが色々捗るかと。

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サンライズの個室、また乗りたいですね。

いつかはシングルデラックス…。

 

○米子はちょうどいい

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9時過ぎ、定刻に米子に着きました。山陰も無事に晴れています。

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一晩お世話になったサンライズとお別れ。お世話になりました。

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ここで妖怪が待つ境港線に乗り換えます。

乗車時間にして11時間。バスや飛行機などの座席だとちょっとキツい時間ですが、横になって歩き回れる寝台列車であれば「まぁこんなもんか」という感じです。

これ以上掛かると疲れちゃうかなとも思いますし、なにより9時という時間は観光地が動き始める頃なのでちょうど良い。

ここで乗り換えて境港へ向かうと10時17分。このままサンライズに乗っていくと松江に9時29分。まぁ悪くない時間です。

しかし終点出雲市は9時58分着。

ここから出雲大社へ行こうとすると頑張っても11時前といったところでしょうか。ちょっと時間が勿体無い気がします。

逆に到着が早ければいいかというとそうでもなく。

都市部ならばいくらでも開いているお店はあるので時間を潰せますが、観光地や小都市だと居場所が駅の待合室しかない(お店があるのはバイパス沿い)ので、割と到着時間は重要です。

 

なおサンライズの瀬戸の方に乗った場合、高松着は7時半ごろ。

そのまま街へ繰り出せば朝にもかかわらず美味しいうどんが待っているので、到着が早くても大丈夫です。

四国もまた行きたいですねぇ。