先日、話題の東武新型特急スペーシアX、それも最後部のコックピットスイートに乗ってきました。
もともとは義弟家族が「鬼怒川に行きたい(というかホテルニューおk…三日月のスパに行きたい)」ということから始まったのですが、「せっかくなら新しいやつの個室に乗りたい」となり。
知識のあるこちらからしても「いやそんな気軽に取れないよ」となるし、向こうも(別に電車が好きというわけでもないので)「取れれば取れたで」みたいな感じなので、とりあえずダメもとで挑んでみることにしました。
1.旅行代理店のプランを使う
グループの東武トップツアーズをはじめ、いくつかの旅行代理店で「特別席がセットになった旅行プラン」が発売されています。
ほかの旅行商品と異なり申し込み時点では買えるかどうかわからず、問い合わせ(座席が確保できた時点で確定)となります。
私も最初はこちらで申し込んでみましたが、翌日には早々に「確保できませんでした」のメール…。
いや売る気あるんかこれ…。
旅行パックの場合も結局早い者勝ちだったりするので、「購入チャンスが増える」程度に思っておいた方がよさそうです。
そして運行開始から半年が経過し、3月からは運行本数も増えるとあって、コックピットスイートを売りにした旅行商品も発売を終了しているところが出てきました。
そうなってくるとますます自力で確保する方が早くなってくる感はあります。
2.発売状況の傾向をつかむ
結局、宿(と乗車券)は旅行パックで申し込み。
※トップツアーズだと乗車券だけセットになったプランがあるので、乗車変更しやすいように特急だけチケットレスで自力手配する方法もある。
しかし問題の席は旅行代理店で取れないとなるとそもそも自力では手配できないのでは?という疑問が。
幸いにして乗車券の発売日までは1か月ほどあったので、乗車予定の金曜日を中心に朝の段階(9時過ぎ)での発売状況を確認してみることにしました。
今はネットで空席照会できるから便利ですね。
すると、いくつか見えてきたことが。
- 月~水(2往復しかない日)はよっぽど土曜日より競争倍率が高い。
- 木・金・土・日のうち、当然土曜日は列車関係なく埋まりやすい(それでも特別席に空きがあることも)。
- 浅草9時発はスタンダード以外は若干プレミアムに空きがあるぐらい。
- 一方、浅草7時50分発はコックピットスイート・ラウンジは埋まっているが、コンパートメントは空きがある(ラウンジも一人掛けなら空きがある)。
- 午後発は浅草13時発は7時50分発と同様の傾向があるがやや混む、14時発は9時発と同様に特別席の空きがない(唯一の鬼怒川温泉行きでチェックインにちょうど良い時間だからと思われる)。
2週間ぐらい見たところ、コックピットスイートは無理でもコンパートメントは発売直後なら2室抑えられそうです。
そこで発売開始半月前、「ダメもとで7時50分発コックピットスイートを狙いつつ、次善策としてコンパートメント2室、それでもダメなら9時発のスタンダードシート」という作戦で挑むことを決めました。
なんでスタンダードのときは9時発なのかって?
…浅草7時50分は朝早いって。
実は傾向分析の際、9時5分~15分ぐらいの空席状況を見ていたのですが、そういえば発売直後を見てないなと2週間前ぐらいの金曜日から9時ちょうどで空席照会をしてみることに。
すると、7時50分発は全席空きがある!
一方9時発はやはり空きがない。
つまり、
使いやすい9時発は旅行商品として抑えられているが、7時50分は9時打ち(発売時刻の9時の瞬間に購入決定ボタンを押下する、JRでいうところの10時打ち)すれば取れる
ということ。
(逆に旅行商品でコックピットスイートだと1件しか購入できないのでほぼ無理と考えられる)
ちょっと可能性が見えてきました。
3.どこで買うか
東武特急の特急券は、駅窓口、券売機、ネット、旅行代理店で購入可能。
普通に買う分にはネット会員になってチケットレスが乗車変更もしやすく便利なのですが、ネットは発売当日の場合日付や時間、人数を指定して「検索」ボタンを押すのが9時でないとエラーになってしまう。
で、検索をしてからは
列車を選択→席種を選択→座席(部屋)を選択→決済方法を選択
までやらないと座席が確保されない。
通信状況や入力ペースによりますが1分は掛かってしまう。
(オタク的には切符欲しいのでチケレスは…という意見もある)
そうなると一番は窓口なのですが、発売日は平日。
朝の9時に東武線の窓口に居るためには会社を休まないとダメじゃないか?
…となったのですが、偶然にもこの日は出張が入ってなんと朝の9時時点で北千住なら行けることに。
というわけで発売日当日、北千住へ向かうことになりました。
(券売機でも購入可能ですが、座席確保までの所要時間が長いのがネットと同じなので断念)
4.そして発売日当日
特急券は東武管理の有人駅ならどこでも購入可能で、普通は改札口で取り扱いになりますが、一部の主要駅は別に出札口が存在していて北千住もそのひとつ。
改札口でも良いのですが、発売を待っている間にトラブルが起きて後回しにされるのも困るので、窓口がある方が安心です。
念のため8時45分には北千住に着いて窓口へ行ってみると、窓はまだ閉まっていてその前に人がいる。
「ヤバい、先客か?」と思ったら単に待ち合わせか何かだったようで程なく立ち去り、無事に先頭を確保。
一応、先客がいた場合は券売機に移ることも考えてはいたのですが先ずは一安心。
窓が開くまでの間に次善策のコンパートメント確保のためにチケレスの画面だけは開けておきます。
コンパートメントの場合、2部屋確保する必要があるのですが同時に抑えることはできないようなので、係員が操作しているのと同時並行で買えるようにするための準備です。
そうこうしているうちにあと2分というところまで迫ってきました。
…が窓が開かない。
向こうから開けてくれるのを待っていたのですが流石に残り2分で何も始まらないのはマズい。
幸いにもインターホンがあったので申し訳ないと思いつつも呼び出すと待機はしていたのかすぐ出てきました。
「あの、一ヶ月後の券を取りたいんですけど…」
日にち、時間、席種、乗車区間、人数、乗車券不要を伝えてこの時点で9時数秒前。
係員氏は「(ダメかもしんないけど)やるだけやってみますねー」という軽い感じで操作(手際は良かった)。
私(あー!9時!ほら!決定押して!)
カチャン。
取れました。
券は普通の東武の券紙でパッと見はただの券なのですが、右下にはコックピットスイートの文字。
ある程度取れそうだという確信はあったとはいえ、現物を手にすると嬉しさは半端なかったです。
係員氏は何の感動もなく淡々と券面の確認をしてお金のやり取りをしてフツーに発売。いやそれでいい。
私はそのままウキウキで出張へと向かいました。
そういえばコンパートメント。コックピットスイートの操作時にそっちばかり集中してたので結局同時並行処理は難しかったかもしれないです。
数分後に空席照会をしたところ、コンパートメントもコックピットラウンジもまだ空席がありましたが、さらに10分後には全部埋まっていたのでネットで取れないこともないけれど取るなら9時丁度には照会掛けられる状態にしておいた方が吉、って感じでした。
で、下りの特別席を取る方法、結論をまとめるとこんなところでしょうか。
- 利用者が格段に少ない冬(日光は12月〜3月は観光客がとても減る)
- 狙うなら本数の多い平日、できれば木曜
- 取りやすさは浅草発7時50分>13時>14時>(越えられない壁)>9時
- 9時の発売開始と同時(というかその前)に動く
- 処理時間を考えるとネット購入より駅窓口に赴くのがベター
- 旅行商品は可能性を増やす意味でダメ元でチャレンジ
「特別席に乗りたい」目的だけなら午前中の上りの方がいいとは思います。
で、タイトルの話。
スペーシア Xの一部の特別座席料金を改定します
https://www.tobu.co.jp/cms-pdf/releases/20231215100445jIlBVosKyYxbQoM5X8N_Dg.pdf
実は3月のダイヤ改正でスペーシアXが今の2〜4往復から6往復に増発される+料金が上がって取りやすくなるので正直ここまでの話はもうほぼ意味がないのです…。
とはいえ、混む列車の傾向は変わらないだろうし、暫くは発売日でないと早々に埋まるのは同じでしょう。
新設の浅草10時発は9時発の次ぐらいに混むと予想しているので、旅行の一行程として選択するならやっぱり7時50分発かなぁ。逆に一番遅い便は空いてそう。
焦って乗ることもない、とお考えならもう少し経ったら落ち着いて購入難易度も下がるのでそれを待つのもアリかと。
逆に今度の改正で先代のスペーシアは都合の良い時間の運転が減ってしまうので、オタク的には急いで乗るべきはむしろこっちかもしれないです。
そういえばダイヤ改正発表と同じタイミングで「旅行代理店に1.5倍の料金払えば半年前から特別座席を抑えられる」みたいなシステムが導入されるというプレスが出てた記憶があるんですが見当たらないですね…。
そして一ヶ月後、苦労して取った切符でコックピットスイートを堪能してきましたがそれはまた別のお話。