二次元交通社

鉄道、アニメの舞台探訪、ライブの遠征…偏った旅

島根よいとこ一度はおいで~冷静に考えて山の中によく街を作った~

石見銀山が凄いのは、環境保護なんて言葉がなかったころから環境に配慮した鉱山開発を行っていたというところが良く語られますが。

実際行ってみて感じるのは「この山の中に街があったのか…?」ということ。

国道から山へ入っていく道なんて典型的な田舎道で、とてもこの先にかつて世界有数の鉱山街がしかも明治維新前に存在していたなんて思えないのですよ。

間歩に至る道の途中もよく見てみると建物があったと思われる光景が見られます。

それが鉱山関係施設だったのか生活場所だったのかはぱっと見では区別がつきませんが。

こうした立派な神社もあります。

かつてはこの周りもにぎやかだったのでしょうか。

鳥居は木製でした。

緑が多い中にある神社。

人の気配は感じられませんでしたが、よく手入れされていて雰囲気はよかったです。

 

石見銀山の本格的な始まりは16世紀にさかのぼりますが、実は明治維新以降も採掘が行われており、近代的な精錬所も造られました。

それが清水谷精錬所です。

ちょうど真夏なので草に覆われて何が何だかですが。

明治28年、西暦でいうと1895年に今の同和鉱業によって造られました。

残念ながら僅か1年半程度の稼働だったそうですが、近代においても石見銀山の重要性があったことを示すものといえます。

こうやって見ると陳腐なたとえですが、ラピュタに出てきそうな雰囲気。

 

さっきから人気のないところばかり見ている気がしますが、実際には山を下っていくと今でも普通に人が住む街が形成されていますし、ちゃんと当時の繁栄を偲ぶ建物が残されています。

現存する見学できた当時の住宅のうちのひとつ、渡辺家住宅。

その立派な門構えからしても「凄い家」というのが伝わってきます。

中もご覧の通りの広さ。

大体、こういう家(というか割と近年までも)には大勢を迎え入れらるような間取りになっているものですが、こちらもご多分に漏れず。

ちなみに旅行時にもらった銀山地域のマップを見返すと、特に名所として積極的にアピールされていた場所でもなく。

確か自転車を漕いでいたらボランティアの方に「休憩がてら見学していきませんか?」と声をかけられて「それなら…」と入ったのを思い出しました。

 

で、この渡辺家住宅。

Googleマップを見てもポイントとして出てこなくて「?」と思ってよくよく調べてみたら、

omori-sakura.iwamiginzan.jp

 

なんと保育園と児童クラブになってました。

国指定史跡を保育園…凄いところです。

まぁ、ただただ史跡として建っているだけより、子供たちの生活の一部になる方が建物にもいいことなのかもしれませんね。

 

この後に向かったのは石見銀山の定番スポットのひとつ、五百羅漢。

石室山羅漢寺、というのがお寺の名前です。

www.rakanji.jp

こちらが本堂。五百羅漢は川を挟んだ向かい側にあります。

五百羅漢とは銀山で亡くなった方の霊を供養するために作られたもので、すべてを作るのに20年は掛かったそうです。

中に安置されている羅漢像はいろいろな表情をしていて、おもしろいものや変わったものを探すのもまた楽しかったりします。

残念ながら境内は撮影禁止なので羅漢像の画像はありません。

是非、現地で自分の目で確かめていただきたい場所の一つです。

 

橋を渡って再び大森の街へと戻ります。

 

間歩の方から海に向かって緩やかに下り坂になっています。

こうした街並みがずーっと続いていて、しかも普通に人が住んでいます。

こういう歴史的街並みのエリアで暮らすのはいろいろ大変で、なんでもエアコンの室外機一つ置くのにもカバーをかけたり気を使わないといけないのだとか。

「外見は昔ながらだけど中身は現代的」という家も多いらしいです(石見銀山がそうというわけではない)。

昔ながらの街並みの中にも新しいお店はあります。

こちらはパン屋さん。トワイライトエクスプレス瑞風にもパンを卸していたそうです。

お昼をまだ食べていなかったので、(どこで食べるか何も考えずに)パンを購入。

こちらは大森裁判所跡。いまは町並み交流センターとして活用されています。

ここまで純和風の建物ばかりだったので、白壁はなんだか新鮮です。

当時の司法関係がよくわからないのですが、この山の中に裁判所があったっていうのはこの町の立ち位置というのが相当だったということではないでしょうか…。

こちらは床屋さんの跡。

石碑には「理容遺産認定第1号」とありますね。

www.riyo.or.jp

ちなみに2号は博物館明治村に保存されている理容室の建物で、こちらも行ったことがあります。

あ、御髪神社にも行ったことあるからこれで3か所制覇してるな、理容遺産…。

こちらは銀山の町で一番有名なおうち(?)、熊谷家住宅です。

国指定重要文化財になっていて、その大きさが当時の繁栄ぶりをうかがわせています。

中も見学可。

中の写真がなかったからこの時は入らなかったんだっけか…?

続いてこちらは石見銀山資料館。

ビジターセンターと内容が被っている気もしますが、ビジターセンターが銀山そのものの話がメインとするならば、こちらは街の成り立ちや歴史といった話が多かった記憶。

運営的にもビジターセンターが大田市なのに対して、こちらはNPO法人による運営なんだそうです。

ちなみに入口に出ている「本日最終日」は企画展のこと。

今調べたら「世界遺産登録10周年企画展」だったらしい。

いま考えたら初めて石見銀山行ったの2007年11月だから世界遺産登録直後に来て、しかもその10年後に再訪してたのか…。

 

大森の街並みはこのあたりで終わり。

のんびり歩いてお店をのぞいたり、展示施設を眺めたりすると結構いい時間が掛かります。

決して華やかさは無く、むしろ淡々と歴史的街が続いていくところですが、是非一度は訪れてその雰囲気を感じていただきたいものです。

あと、基本的に街並みが一直線だから変に歩き回る必要がないのがありがたいです。

 

街並みの終わったあたりに食堂があったのでここで昼食。

前日も食べた気がしますが出雲そばを食べました。

あ、さっき買ったパン。

そばを食べた直後でしたが、お店の前に広場があって都合が良かったのでそこで食してみました。

買ったのはオリーブパン。

生地の風味が美味しいには美味しかったのですが、よくわからないで買ったのでまさかオリーブが丸ごと入っているとは思わずちょっとびっくり。

 

世界遺産の街並みを楽しみ、おなかも膨れたところで自転車を返してバスに乗り世界遺産センターへ戻ります。

次の目的地は割とすぐ近くです。

多分今更役に立たないスペーシアXのコックピットスイートの取り方

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www.tobu.co.jp

先日、話題の東武新型特急スペーシアX、それも最後部のコックピットスイートに乗ってきました。

もともとは義弟家族が「鬼怒川に行きたい(というかホテルニューおk…三日月のスパに行きたい)」ということから始まったのですが、「せっかくなら新しいやつの個室に乗りたい」となり。

知識のあるこちらからしても「いやそんな気軽に取れないよ」となるし、向こうも(別に電車が好きというわけでもないので)「取れれば取れたで」みたいな感じなので、とりあえずダメもとで挑んでみることにしました。

 

1.旅行代理店のプランを使う

tobutoptours.jp

グループの東武トップツアーズをはじめ、いくつかの旅行代理店で「特別席がセットになった旅行プラン」が発売されています。

ほかの旅行商品と異なり申し込み時点では買えるかどうかわからず、問い合わせ(座席が確保できた時点で確定)となります。

私も最初はこちらで申し込んでみましたが、翌日には早々に「確保できませんでした」のメール…。

いや売る気あるんかこれ…。

旅行パックの場合も結局早い者勝ちだったりするので、「購入チャンスが増える」程度に思っておいた方がよさそうです。

そして運行開始から半年が経過し、3月からは運行本数も増えるとあって、コックピットスイートを売りにした旅行商品も発売を終了しているところが出てきました。

そうなってくるとますます自力で確保する方が早くなってくる感はあります。

 

2.発売状況の傾向をつかむ

結局、宿(と乗車券)は旅行パックで申し込み。

※トップツアーズだと乗車券だけセットになったプランがあるので、乗車変更しやすいように特急だけチケットレスで自力手配する方法もある。

しかし問題の席は旅行代理店で取れないとなるとそもそも自力では手配できないのでは?という疑問が。

幸いにして乗車券の発売日までは1か月ほどあったので、乗車予定の金曜日を中心に朝の段階(9時過ぎ)での発売状況を確認してみることにしました。

今はネットで空席照会できるから便利ですね。

www.tobu-ticket.jp

 

すると、いくつか見えてきたことが。

  • 月~水(2往復しかない日)はよっぽど土曜日より競争倍率が高い。
  • 木・金・土・日のうち、当然土曜日は列車関係なく埋まりやすい(それでも特別席に空きがあることも)。
  • 浅草9時発はスタンダード以外は若干プレミアムに空きがあるぐらい。
  • 一方、浅草7時50分発はコックピットスイート・ラウンジは埋まっているが、コンパートメントは空きがある(ラウンジも一人掛けなら空きがある)。
  • 午後発は浅草13時発は7時50分発と同様の傾向があるがやや混む、14時発は9時発と同様に特別席の空きがない(唯一の鬼怒川温泉行きでチェックインにちょうど良い時間だからと思われる)。

2週間ぐらい見たところ、コックピットスイートは無理でもコンパートメントは発売直後なら2室抑えられそうです。

そこで発売開始半月前、「ダメもとで7時50分発コックピットスイートを狙いつつ、次善策としてコンパートメント2室、それでもダメなら9時発のスタンダードシート」という作戦で挑むことを決めました。

なんでスタンダードのときは9時発なのかって?

…浅草7時50分は朝早いって。

 

実は傾向分析の際、9時5分~15分ぐらいの空席状況を見ていたのですが、そういえば発売直後を見てないなと2週間前ぐらいの金曜日から9時ちょうどで空席照会をしてみることに。

すると、7時50分発は全席空きがある!

一方9時発はやはり空きがない。

つまり、

使いやすい9時発は旅行商品として抑えられているが、7時50分は9時打ち(発売時刻の9時の瞬間に購入決定ボタンを押下する、JRでいうところの10時打ち)すれば取れる

ということ。

(逆に旅行商品でコックピットスイートだと1件しか購入できないのでほぼ無理と考えられる)

ちょっと可能性が見えてきました。

 

3.どこで買うか

東武特急の特急券は、駅窓口、券売機、ネット、旅行代理店で購入可能。

普通に買う分にはネット会員になってチケットレスが乗車変更もしやすく便利なのですが、ネットは発売当日の場合日付や時間、人数を指定して「検索」ボタンを押すのが9時でないとエラーになってしまう。

で、検索をしてからは

列車を選択→席種を選択→座席(部屋)を選択→決済方法を選択

までやらないと座席が確保されない。

通信状況や入力ペースによりますが1分は掛かってしまう。

(オタク的には切符欲しいのでチケレスは…という意見もある)

そうなると一番は窓口なのですが、発売日は平日。

朝の9時に東武線の窓口に居るためには会社を休まないとダメじゃないか?

…となったのですが、偶然にもこの日は出張が入ってなんと朝の9時時点で北千住なら行けることに。

というわけで発売日当日、北千住へ向かうことになりました。

(券売機でも購入可能ですが、座席確保までの所要時間が長いのがネットと同じなので断念)

 

4.そして発売日当日

特急券東武管理の有人駅ならどこでも購入可能で、普通は改札口で取り扱いになりますが、一部の主要駅は別に出札口が存在していて北千住もそのひとつ。

改札口でも良いのですが、発売を待っている間にトラブルが起きて後回しにされるのも困るので、窓口がある方が安心です。

念のため8時45分には北千住に着いて窓口へ行ってみると、窓はまだ閉まっていてその前に人がいる。

「ヤバい、先客か?」と思ったら単に待ち合わせか何かだったようで程なく立ち去り、無事に先頭を確保。

一応、先客がいた場合は券売機に移ることも考えてはいたのですが先ずは一安心。

窓が開くまでの間に次善策のコンパートメント確保のためにチケレスの画面だけは開けておきます。

コンパートメントの場合、2部屋確保する必要があるのですが同時に抑えることはできないようなので、係員が操作しているのと同時並行で買えるようにするための準備です。

そうこうしているうちにあと2分というところまで迫ってきました。

…が窓が開かない。

向こうから開けてくれるのを待っていたのですが流石に残り2分で何も始まらないのはマズい。

幸いにもインターホンがあったので申し訳ないと思いつつも呼び出すと待機はしていたのかすぐ出てきました。

「あの、一ヶ月後の券を取りたいんですけど…」

日にち、時間、席種、乗車区間、人数、乗車券不要を伝えてこの時点で9時数秒前。

係員氏は「(ダメかもしんないけど)やるだけやってみますねー」という軽い感じで操作(手際は良かった)。

私(あー!9時!ほら!決定押して!)

 

カチャン。

 

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取れました。

券は普通の東武の券紙でパッと見はただの券なのですが、右下にはコックピットスイートの文字。

ある程度取れそうだという確信はあったとはいえ、現物を手にすると嬉しさは半端なかったです。

係員氏は何の感動もなく淡々と券面の確認をしてお金のやり取りをしてフツーに発売。いやそれでいい。

私はそのままウキウキで出張へと向かいました。

そういえばコンパートメント。コックピットスイートの操作時にそっちばかり集中してたので結局同時並行処理は難しかったかもしれないです。

数分後に空席照会をしたところ、コンパートメントもコックピットラウンジもまだ空席がありましたが、さらに10分後には全部埋まっていたのでネットで取れないこともないけれど取るなら9時丁度には照会掛けられる状態にしておいた方が吉、って感じでした。

で、下りの特別席を取る方法、結論をまとめるとこんなところでしょうか。

 

  • 利用者が格段に少ない冬(日光は12月〜3月は観光客がとても減る)
  • 狙うなら本数の多い平日、できれば木曜
  • 取りやすさは浅草発7時50分>13時>14時>(越えられない壁)>9時
  • 9時の発売開始と同時(というかその前)に動く
  • 処理時間を考えるとネット購入より駅窓口に赴くのがベター
  • 旅行商品は可能性を増やす意味でダメ元でチャレンジ

 

「特別席に乗りたい」目的だけなら午前中の上りの方がいいとは思います。

 

で、タイトルの話。

スペーシア Xの一部の特別座席料金を改定します

https://www.tobu.co.jp/cms-pdf/releases/20231215100445jIlBVosKyYxbQoM5X8N_Dg.pdf

実は3月のダイヤ改正スペーシアXが今の2〜4往復から6往復に増発される+料金が上がって取りやすくなるので正直ここまでの話はもうほぼ意味がないのです…。

とはいえ、混む列車の傾向は変わらないだろうし、暫くは発売日でないと早々に埋まるのは同じでしょう。

新設の浅草10時発は9時発の次ぐらいに混むと予想しているので、旅行の一行程として選択するならやっぱり7時50分発かなぁ。逆に一番遅い便は空いてそう。

焦って乗ることもない、とお考えならもう少し経ったら落ち着いて購入難易度も下がるのでそれを待つのもアリかと。

逆に今度の改正で先代のスペーシアは都合の良い時間の運転が減ってしまうので、オタク的には急いで乗るべきはむしろこっちかもしれないです。

そういえばダイヤ改正発表と同じタイミングで「旅行代理店に1.5倍の料金払えば半年前から特別座席を抑えられる」みたいなシステムが導入されるというプレスが出てた記憶があるんですが見当たらないですね…。

 

 

そして一ヶ月後、苦労して取った切符でコックピットスイートを堪能してきましたがそれはまた別のお話。

 

島根よいとこ一度はおいで~世界遺産は観光地ではない~

気付いたら前回から1年経ってた…。

ウマばっかやっていたのは事実ですが(おい)、公私であまりにもいろいろありすぎてここまで間が空いてしまいました。

ようやく落ち着いたのでぼちぼちやる気出しますか…。

文を書くのはいいんですけど、写真が撮って出しだと微妙に容量が足りなくていちいち加工しないといけないのがめんどくさくて…。

とはいえ、ネタも幾らか増えてきたしちょっとやる気出す。

 

 

〇朝食がビジホのクオリティじゃない

おはようございます。

起きたらとりあえず朝風呂に入って目を覚まします。今日もいい天気。

そして朝食。

www.hotespa.net

今は出雲そばを推しているようですが、僕らが行ったときはカニがありました。

朝からカニですよ。

ほかにも赤天やあご野焼きなど島根のご当地食品が並んでるし、デザートには前日にも食べたぜんざいがあるし。

ラインナップが「本当にビジネスホテルか?」というクオリティの高さでびっくりしました。

写真撮っておけばよかった…。

確かに近隣のビジネスホテルに比べるとちょっと割高ですが、それを補って余りあるサービスは魅力です。

 

おなかも膨れ、満足したところで出発です。

今日からは公共交通だと回りにくいエリアを行くのでレンタカー移動。

ホテルから5分ぐらい歩いてレンタカー屋へ行き、車を借りていざ出発。

今日は石見銀山やその周辺を回って叔父の家のある益田を目指します。

ちなみにレンタカー屋から叔父の家までは概ね130km。

途中高速道路はほぼなく、あるのは片側1車線の高規格道路がせいぜいなので、どこにも寄らずに真っすぐ行っても2時間半はかかります。

そんなわけで車で自由に動けるけど時間には気を付けながらの移動となります。

 

国道9号をひたすら西へ。

地域が出雲から石見へと変わったあたりで9号を外れて山の方へ。

まずはこちらへ向かいます。

ginzan.city.oda.lg.jp

この世界遺産センター、世界遺産となったエリアからは若干離れているのですが、大きな駐車場がここにしかなく、原則的にはパークアンドライドということで、ここに車を止めて現地まではシャトルバスで移動しなさいということになっています。

ただの乗り継ぎスポットとしてではなくエントランスとしての立ち位置もあり、中には銀山とその周辺に関するガイダンス施設が。

まずは現地に行く前にこちらで事前学習を。

バスの本数は乗車当時は銀山エリア完結のシャトルバスがあって結構本数はあった記憶がありましたが、どうやら今はそのシャトルバスはなく一般路線しか走っていない様子。

それでも時間1本はある(それどこか3~4本ある時間帯もあるけどバラつきが凄い)のでそんなに困ることはないかと。

ともかく、バスで5分も揺られれば銀山の入り口、大森に到着です。

 

ここから銀山の跡である間歩までは2kmちょっと。

世界遺産登録直後はここをバスが走っていて楽々だったのですが、環境保護(自然もそうだが住環境保護という意味も)の観点から廃止。

しかもなだらかに上っていくのでちょっときつい。

そこで活躍するのが「電動アシスト付き自転車」。

バスを降りたところにはレンタサイクル。

普通の自転車もあって、そっちの方が若干安いのですが、当然のことながらそんな体力はないので二人揃って電動アシスト付き自転車をチョイス。

実家は横須賀の丘の上。自転車にほとんど乗っていなかったこともあって、ちゃんと乗れるか不安でしたが、車も来ないので多少下手でも無事でしたw

※横須賀はそこまでではないですが、長崎など坂の多い街では自転車に乗る機会がないので、乗れない大人が結構いるとかなんとか。

そして電動自転車、凄い。坂を一気に登っていく。これは楽。

 

バスから自転車に乗り換えてしばらくは人の住む街並みが続きますが、それが終わるとこんな感じに。

鉱山、というとどうしても禿山のイメージがありますが、ここは完全に森の中。

本当にこんなところに鉱山があったのか?という雰囲気。

森が始まり、両側に山が迫ってくると鉱山エリアの始まり。

よく見ると崖に穴が開いています。それも一つや二つではなくたくさん。

この穴が坑口。なんだか元横須賀市民には防空壕に見えてしまう。

近代以降の鉱山はメインの坑口から入り、中で鉱脈に沿って分岐していくスタイルですが、当時はこれが主流だったのでしょうか。

大きな穴を掘ってそれを支える技術といった問題もあったのでしょう。

ちなみに各坑口には立ち入り禁止の看板とともに番号が振られています。

例えば上の坑口には「甘南備鉱」の名前とともに「468」という番号が振られていました。

単純に管理番号ですので、流石に468も坑口があるわけではないと思うのですが…?

えっちらおっちら自転車で坂を登った先にあるのが、一般に公開されている龍源寺間歩です。

石見銀山の中でも大規模な間歩で、内部も観光用に整備されたとはいえ大人が立って歩けるぐらいの高さがあります。

 

中はまぁ一般的な観光坑道でした。

鉱山跡の施設に行ったことがある人には何となく想像できる感じのやつです。

とはいえ、この間歩が凄いのは「すべて手掘りの時代」ということ。

いま観光客が歩けるところは整備もされていますが、当時に実際に掘っていたところというのは通りやすさなどお構いなし。

通りやすさなどというそんなところに限られた労力を割くわけにもいかないので、鉱脈に沿って必要最小限にしか掘っていません。

したがって、上の写真も単に掘った跡を撮ったようにしか見えませんが、実際には真上を向いていたりします。

あるいは横向きでも人ひとりが本当に通れるの?と思うような細い穴も。

坑道も解放されているところ以外にも、長くあちこちに広がっています。

一部だけ見て「まぁこんなもんか」という感想を得ることは重要ですが、それだけですべてを見た気になってはいけない。

十数分で抜けてしまう道ですが、そこには何百年、何千年、何万年の歴史が詰まっているのです。

それでも「こんなんじゃ満足できないね!」という方!

是非大久保間歩へどうぞ!

www.iwami.or.jp

観光用に希釈された龍源寺間歩より圧倒的らしいです。

私も一回行ってみたいんですよね。

 

出口は入口とは別のところに出てきます。

出口を出たところのお店で「香り袋」を売っていました。

昔の消臭袋的なものです。

一個試しに買ってみましたがそういえば大事にしまい込んで結局使っていない…w

 

銀山のメインとなる坑道はこれでおしまいですが、「鉱山をきっかけとして発展した街」を見ないと損です。

むしろ観光としてはそっちがメインな気もする。

島根よいとこ一度はおいで~出雲の夜もまたよし~

〇このツアーの本当の理由

さて、さっきまで乗っていたバスツアー。

・日本遺産認定記念

・で、その認定されたアクセスのよくない日御碕へ気軽に行けるように

といった理由で催行されたのですが、これが催行された裏の理由が

出雲市の宿泊者数を増やす」

でした。

出雲市(旧大社町含む)といえばなんといっても出雲大社があって、観光客の入りという点においては他所が羨むぐらいには多い。

ただ、大体の観光客は日中に大社とその周辺を見てお終いというパターンが多く、出雲空港から来て泊りは松江や玉造へ…という流れも。

かくいう僕も(親戚の家という存在はあるにせよ)出雲は日中しか滞在したことなかったです。

夜まで観光客を引っ張れると、宿泊滞在費や夕食費が地元に落ちる(特に夕食は3食のなかで一番費用が上がる)ので、せっかく昼間に人がいっぱい来るのだからその一部でも泊まってもらいたいと考えるのは当然といえば当然。

そこで「夕日まで見てたら必然的に泊りは市内になる」ので、こういうツアーが作られたというわけです。

ただ、単に夕日を見に行くわけでもなく、途中乗降ができて時間も早すぎず遅すぎずで適切と上手く行程作られているなぁと感心しました。

費用もバス代とガイド代だけ(さっき登った灯台は別料金)とはいえ1,000円で気軽に使おうという気にもなるし。

果たして目論見は上手くいったのでしょうか…。

 

そしてもう一つ。

バスに案内人と観光協会?のお兄さんが乗っていたわけですが、このうちお兄さんの方。

この方、単に案内係というわけではなく、マスコミ対応も兼ねて乗っていました。

そう、取材が乗っていたのです。

「宿泊滞在者を増やす取り組み」の取材ということでNHK松江放送局のカメラが乗っていました。

そして日御碕で夕日を眺めていたら取材を受けました…。

でまぁ、叔父に「NHKの取材受けたからいつか松江ローカルのニュースで映るかもw」って話をして数か月。

すっかり取材のことなんて忘れていた頃、職場の人からLINEが来て「朝のニュースで映ってたよ!」と。

なんと松江ローカルのニュースでチラッとやるだけだと思っていたら、全国放送の朝のニュースの特集で流れていました。

やっていたのが早朝だったので色んな人に素顔を晒すことにならなかったのが不幸中の幸いというか…w

放映後、暫くは動画配信サイトでも見ることができたので自分でも中身は確認しました。

いや、全国放送ならそうと言ってくれ…心の準備が…。

 

〇夜のバタデン、これはこれで

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本筋に戻ります。

すっかり夜の帳が下りた出雲大社駅。

中の明かりに照らされるステンドグラスからまた良い感じです。

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中は中で柔らかい感じの照明が雰囲気を作ります。

こうやって見ると、細かい装飾が多くて小さいながらも気合を入れて造ったんだということが感じ取れます。

なかなか普通の観光だと夜に使うことのない駅ですが、空間としては夜の方がおすすめかもしれないです。

ところでこの駅、切符は2枚目の写真の左手に写っている券売機で購入するのですが、それとは別に窓口で硬券入場券が購入できます。

www.ichibata.co.jp

記念切符的な感じで硬券売っている会社も多いですが、一畑もご多分に漏れず。

HPでも「記念に」ということで売っています。

また、行ったときはその窓口で車内補充券も売っていたので両方購入。

車補は特にこだわりがあったわけではないので初乗り分だけ買いました。

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ホームを見ると、列車はすでに入線。

行きに乗ったのと同じ車両でした。

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せっかくのクロスシートですが、先述のとおり川跡で出雲市方面へ乗り換えないといけないのですぐ降りないといけないのがもったいない。

そうそう。一畑電車といえば映画にも出たデハニ50が有名です。

この駅のこの電車の奥に止まっていて見学できるのですが、今回はそんな時間もなく…。

本当はデハニ50も含め、旧大社駅も見に行けたらいいなと思っていたけどそんな余裕かけらもありませんでした。

そんな詰め込んだつもりは無かったのですが案外時間が足りないものです。

まぁ今回は一畑を全線走破させてもらっているし、そういう個人的楽しみはまた別の機会に。

 

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乗換駅の川跡では3本の列車が並びました。

真ん中は乗車の一年前にデビューした新型7000系

実に86年ぶりの新車ということで大きな話題となっていましたが、本当なら東急1000系を入れたかったのに必要数が足りなくて補助金を入れて新車を導入したという経緯があり。

地方私鉄の車両確保の苦労が偲ばれる話です。

で、乗るべき電鉄出雲市行は一番奥の元京王5000系。

一畑では2100系を名乗る電車ですが、外装にしまねっこがいます。

「ご縁電車しまねっこ号」だそうです。

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しまねっこ号、ということで内装はしまねっこだらけ。

シートもピンク色になっています。

そういえばこの車両、2ドアに改造されていますね。

外は真っ暗で車窓は楽しめないので、特に印象に残ったところはない…。

まぁ乗っているのも10分ほどでしたし。

強いてあげるとするなら終点の電鉄出雲市が立派な高架駅だった、ってことか。

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そんなわけで想像以上に立派だった電鉄出雲市に到着です。

夜も20時を回って、人もまばら。

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奈々さんのライブが松江であったとき、しまねっこが来ましたねそういえば。

あと車端部にちょっと元の塗装が残っていました。

しまねっこかわいい。

 

改札を出て、今日のお宿に向かいます。

今回泊ったのはこちら。何気に初ドーミーでした。

www.hotespa.net

オープンからまだ2か月も経っていなかったこともあって、凄い綺麗でした。

部屋はごく普通のビジホでしたが、なにより大浴場に露天風呂もついていて、ついでに湯上りどころもあるのがありがたかったです。

せっかくの旅行で足を延ばしてお風呂に入れるのは結構重要だったりします。

出雲市駅周辺はホテルが結構ありますが、空きと予算が合えばココは一押し。

もちろん、それ以外にも一押しポイントはあるのですが…。

 

さて、部屋に荷物を置いて軽く夕飯へ。

大体初めて来た街ではホテルのフロントで「どっかいいとこありますか?」と聞くのが個人的ルーティン。

飲食店の地図を渡されて終わりのこともありますが、食べたいものに合わせてお店を教えてくれる人や自分が使っている店を紹介してくれる人など詳しい人に当たると美味しいものに巡り合える可能性が高まるので、旅先ではこの手をよく使います。

そして今回はというと…後者でした。

 

ぼく「すいません、この辺で軽く食事して飲めるところってあります?」

フロント「少々お待ち(後ろから別のスタッフ)「飲食店お探しですか??」

ぼく「アッハイ」

 

最初に声をかけたスタッフを押しのけて対応してくれた方に飲みor食事、食事の種類等々に応じて数件のお店を紹介してもらいました。

教えてもらったのはJRの高架をくぐった北側にあった居酒屋。

今思えばどちらかといえば観光客相手の飲食店な感じもありましたが、冒頭に申し上げた通りそもそも夜間滞在の観光客が少ない街ですので多分気にしすぎです…。

そしてお店の名前を忘れたし、場所も大体しか覚えていない…。

スタッフの方に「せっかくだから板わかめを召し上がっていってください」っていうので板わかめを置いてあるお店に行ったのは確かなんだが(板わかめは食べて美味しかった記憶はある)。

さっきからgoogleマップでここかな?っていうお店は見つけたけどメニューが違う気がするし…うーん。

いずれにしても美味しいもの食べて美味しいお酒を飲んで満足したのは間違いないです。

あと、この時は「食べたい」ということで居酒屋を紹介してもらいましたが、話を聞いていると駅北側の飲み屋街にはバーなんかもちょいちょいあるようでした。

 

さて、いつもなら腹いっぱい食べていっぱいお酒を飲むところですが、今日は腹八分目でホテルへ帰ります。

そう、ドーミーインといえは名物夜鳴きそば。

好きな人はこれのためにドーミーに泊まる、ということですが確かに美味しかったです。

量も飲んで締めの一杯でちょうどよい。

これは明日の朝食が楽しみですねぇ…。

島根よいとこ一度はおいで~そういう目的とは知らずに申し込んだ~

○ツアーのいいところはめんどくさいところにも連れて行ってくれること

ぜんざいを食べてクールダウンした後、神門通り交通広場というところへ。

バスロータリーと駐車場があって、行ったときは旧ツアーバスのバス停なんかもありました。

ここからはツアーに参加します。

出雲日御碕夕日鑑賞バスというもので、案内人が同乗して現地を案内するタイプのバスツアーです。

旅程を作成している中で、確か一畑のサイトで発見しました。

ちょうどこの年の4月に文化庁の日本遺産にこの界隈が認定されたのを契機に、もっと日御碕を知ってもらおうというのがツアーの狙いです。

日御碕は神社や灯台で有名で、何度か行ってみたいとは思っていたものの、バスは本数が少ない、クルマで行くにも道があんまり良くないということでなかなか手が出なかったのですが。

このツアーだと、ピンポイントで連れて行ってもらいたい日御碕だけ行ける上に、じっくり大社観光した後に乗れるのが非常に有難かったです。

まぁ、このツアーが実施されたのは日本遺産が大きいのですが、実はもっと切実な理由があったのです…。

 

1620、バスに乗ります。一畑系の貸切バスです。

いやぁ他社の貸切なんてたまにしか乗れないからちょっと楽しいですねw

このバスの始発は出雲市駅で、その次がこの神門広場。

その後に大社の旅館エリアに立ち寄って日御碕へ向かいます。

ちなみにここから乗ったのは僕らだけ。

旅館前で数人乗って、殆どが出雲市からの乗車でした。

中型バスでしたがほぼ満席。それなりに需要はあるようです。

 

旅館前から最初の目的地である神社までは30分ほど。

その間に案内人の方が色々解説してくれます。

この日は案内人のおじさんと、観光協会?のお兄さんと乗っていました。

お兄さんはおじさんのフォロー役みたいな感じだったのですが、もうひとつ役目があって…。

 

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バスは海沿いを走ります。

多分稲佐の浜を撮りたかったんだと思います()

国譲り神話の舞台になったところであり、神有月に神様がやってくる海岸です。

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雲は多めですが、太陽は少しずつ夕日になっています。

…で、大社からバスで30分の距離はともかく、こんな感じで海岸沿いを崖伝いに通っている道を走るので、普段運転しない人間が自分で運転しながら行くのも億劫。

そういう意味でもバスは有難かったです。

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アップダウンとカーブが続きます。

人が運転するクルマから車窓を眺める分には良いところです。

ライダーなんかは楽しいかもしれないですね。

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坂を上って一旦海から離れると、眼下に色鮮やかな建物が見えてきました。

これが日御碕神社です。

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日御碕神社は、スサノオノミコトを祀る神の宮と天照大神を祀る日沈宮の二つの宮の総称。

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天照大神が祀られている「日沈宮」。

創建は948年。

「日が沈む」神社というのも変な感じがしますが、これは伊勢神宮が「日ノ本の昼を守れ」との勅命に対して日御碕神社が「日ノ本の夜を守れ」と勅命を受けたことによるものです。

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スサノオノミコトが祀られている「神の宮」。

創建は紀元前536年。設定がおかしい。

歴史をちゃんと学んでない人間にはどんな時代かも分かりませんw

スサノオノミコトが「吾が神魂はこの柏葉の止まる所に住まん」と根の国(黄泉の国)から柏の葉を投げて占ったところ、背後の隠しヶ丘に止まったそうで、それで神社をここに建てたそう(適当解説)。

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現在の社殿は1637年から1644年の7年間をかけて建てられたもの。

徳川三代将軍家光の命によるものだそうです。

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日光東照宮建立の翌年から工事が行われているわけですが、言われてみると雰囲気もよく似ています。

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両本殿の内部には狩野派や土佐派の絵師による絵が描かれているそうです。

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中は見られませんでしたが、先の写真にもあるように、外壁にも美しい彫刻が施されています。

で、こんな「どこかで見たような」彫刻も。

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参拝を終えて神社を後にします。

参道を抜けて鳥居をくぐった先には海。

ここから海沿いに少々歩いて次の場所へ。

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途中、海にせり出した岩山の上に祠があるのが見えます。

これは経島(ふみしま)という島で、元々天照大神が鎮座されていたところ。

日御碕神社の神域として一般の立ち入りは禁止されており、例祭のときに宮司だけが渡ることができるそうです。

(特定の日付に特定の人だけ入れるところって、メンテナンスとかどうするんだろう…)

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あっ!ブラタモリでやったやつだ!

そうです。柱状節理です。

柱状節理自体は全国的に見られる現象ですが、ここまでガッツリ現れると圧巻。

 

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www.tokokai.org

日御碕には灯台があります。

近所に観音崎があった身としてはなんとも思っていなかったのですが、実は登れる灯台というのはそんなに数がないそうで、この日御碕灯台も数少ない登れる灯台のひとつ。

通常は夕刻には閉めてしまうそうですが、この日はこのツアーのために特別にちょっと延長して開館。

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灯台はなにも展望台ではなく、海の信号。

扱いは海上保安庁のいち施設です。

 

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中に入って驚かされるのはこれ。
中のレンガ積みを見ることができます。ちなみに外観は切石積みです。

着工が明治後半なので、レンガ積みはむしろ一般的なのですが、これが100年以上前に造られて風雪に耐え今に生きるのだから構造物って凄いよなぁ…。

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行った時にはすでに近代化産業遺産に登録されていましたが、さらに2021年には国指定重要文化財に登録。

歴史の深さと重要性を感じられるスポットでもあります。

この灯台、世界の灯台100選にも選ばれたそうですがもう一つナンバーワンがあって、それが高さ。

てっぺんに出るためには、灯台特有の狭いらせん階段を延々と登らないといけないわけで…。

 

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ようやくたどり着いたてっぺんには巨大なレンズ。

ここで発せられた光は39km先まで届くそうです。

さっき乗った一畑の松江~大社が(営業キロで)37.3kmなのでそれより届くのです。

 

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外が見えました。さぁ表へ。

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夕日が凄い!

日本遺産に認定されたのはひとつこれも理由で、日本遺産の名称も「日が沈む聖地出雲」となっています。

島根はやや西を向いて海に面しているため、海沿いならわりと美しい夕日を見ることができるのですが、ここは出雲という聖地に位置していることから特に取り上げられた、というわけです。

いや、神社と灯台とこの夕日。3点セットで眺められるのであれば頑張って大社から足を延ばす意味があるってものです。

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東のほうを眺めるとたくさんの風力発電の風車が見えます。

北海道のオロロンライン沿いや宗谷丘陵なんかも風車が並んでいましたが、ここ島根も風力発電が盛んな地域だったりします。

風力発電は強い風よりコンスタントにそれなりの風がある方が良いんでしたっけね。

北向きに開いた海沿いなので、それなりに発電はしやすいのでしょう。

灯台は眺めは良いのですが、展望設備ではなくいかんせん狭いので一周回ったところで下へ降ります。

バスの出発時間もぼちぼち近づいてきたし。

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下で完全日没を待ちます。もう少しって感じかな。

ただ、見てわかる通りこの日はやや雲が多め。

考えてみれば朝は雨だったし、むしろ活動中に降られることもなく、夕日を見に来たタイミングでここまで晴れてくれて幸運だったといえるでしょう。

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遠くに船が進んでいます。

東京湾だとこれでもか、ってぐらいに船の行き来を眺めることができますが、ここは日本海

船自体はたくさんいるのでしょうが、わざわざ陸に近いところを通る理由もないですね。

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そして日没。

残念ながらご覧のとおり雲に阻まれて沈むその瞬間を見ることは叶いませんでしたが、夕刻の美しい景色を見せてもらったのでまぁ満足。

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見ると灯台にも灯がともりました。

これから明日、再び日が昇るまで明かりで海の安全を守ります。

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名残惜しいですがここでタイムアップ。

スタッフの方に誘導されて駐車場へ。

途中、土産物屋が並ぶエリアを通りますが、普段なら灯台も閉まっている時間なのでほぼお店もやっていない。

雰囲気は完全に昭和の海沿いの土産物屋でしたが、どんなものが売っていたのかちょっと気になりました。

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今回乗ったバス。中型ですがちゃんと観光バス。

暗くなり始めた道をさっきと逆に辿って出雲大社へ戻ります。

途中旅館前で降りる人がいて、やっぱり大社駅で降りたのは僕らだけ。

ほぼ満席のままバスは出雲市駅へと向かっていきました。

ちなみに今夜の宿は出雲市駅前なので、このまま乗って行ってもよかったのですが、荷物を預けたままだったのと、川跡~電鉄出雲市が未乗のままになってしまうという鉄オタ的理由から降りたというわけ。

そんなわけで本日最後の移動のために駅へ向かいましょう。

 

そうそう、今回のバスツアーが作られた理由。

ちょっと長くなったので次回。

島根よいとこ一度はおいで~奈々さんに会いたかった~

本年もよろしくお願いいたします。

続きを書こうとPC立ち上げるところまではいくんだけど、そのあと立ち上げるのがウマ娘

…ホントに前のPCに入っている写真をどうにかせねば進まんぞこれ。

 

で、今日のテレ東の某番組が足立美術館から出雲を通って石見銀山へ向かっていて、懐かしいなと思いつつ、とりあえずせっかくだしストックの記事を上げておくか、ということで。

2022年一発目。

 

○境内でライブするってどんな感じ?

駅からは若干の上り坂ですが、色々誘惑の多いお店が並ぶ参道を10分ほど歩くと。

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出雲大社に到着です。

www.izumo-kankou.gr.jp

観光情報としては出雲大社オフィシャルより協会の方がよさげなのでこちらを貼っておく。

というか、出雲大社は組織的に色々ややこしくてイマイチ理解しきれていない…。

難しい話は置いといて参拝しましょう。

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参道は下り坂。

先述の観光協会のサイトにも出ていますが、地味に「参道が下り坂」っていうのは珍しかったりします。

木々か濃くなるのもあって先ほどの道路から空気が一変。

この感じが出雲大社の好きなところ。できれば車で来ていても真正面から参拝してもらいたいところ。

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森を抜けると拝殿などが並ぶエリアに到着。

メインのエリアということもあって賑やかです。

じっくり見て回るのは後にして、先ずはお参りしましょう。

 

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こちらが拝殿。

建物が大きかったり絢爛豪華だったりするのはたまにありますが、建物のサイズに対して明らかにデカいしめ縄は出雲大社ならではかと。

そうそう、一般的には「ニ礼二拍手一礼」の参拝ですが、ここ出雲大社は「ニ礼四拍手一礼」になります。

ちゃんと手順が書いてあるし周りがその通りにやっているので、そのことを忘れてしまっても大丈夫です。

むしろこの話を書くのに色々見るまで僕自身が忘れていました。

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拝殿の裏に本殿…ではなく本殿をお参りできる八足門です。

出雲大社も本殿に接近できないタイプの神社。

お正月はこの門を超えてもうちょっと近くまで行けるようですが。

本殿は国宝に指定されているそうで、どんなものか気になります。

出雲大社の本殿といえば、古代は当時の技術では不可能なんじゃ?ってレベルのクソデカい(高い)建物だったと言われていますね。

その模型が博物館に再現されているので、お時間がある方は是非そちらも。

https://www.izm.ed.jp/

我々もこの後行きました(館内は撮影していないので画像はなし)。

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そういえばこの2年後に遷宮が行われていたようです。

この辺はその付帯事業?

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これは神楽殿

このデカい注連縄が有名になりすぎて、コレが本殿と勘違いしている人が散見されるようですが…。

あと「注連縄にお賽銭を投げて刺さるといいことがある」という話もありますが、そもそも注連縄は神聖なものなので、それに向かって硬貨ぶん投げて刺さったらいいことなんてむしろ発生しないので止めましょう(オフィシャルにも注意が出ています)。

ていうか単純に注連縄に金属刺すこと自体良くない。

大体こういうガセネタってガイドが面白おかしく話していたことが広まっていったパターンが多いようですね。

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ひとしきり参拝が終わったので参道を戻ります。

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 個人的にこの本殿を背にした参道からの眺めが良いと思っています。

適当に傾斜があるのでまっすぐな参道が遠くまで見通せて、神聖な気分を高めてくれる気がします。

 

○動いたら腹が減る、頭を使えば糖が減る

このとき、時刻はお昼前。この足でお昼ご飯を食べに行きましょう。

出雲でお昼と言えば忘れてはならない出雲そば

www.izumo-kankou.gr.jp

3段の小さい器に入った割り子そばが有名です。なるほど、元は弁当だったのか…(今知った)。

出汁の効いたつゆと香りのよいそばの組み合わせが大変に素敵な蕎麦です。

で、実は出雲大社自体は3回目だったりする私。

ここに来るたびに行っているのがこちらの荒木屋さん。

www.izumo-kankou.gr.jp

(オフィシャルサイトがないようなのでこちらを)

2階の座敷に上がると有名人のサインが一杯飾ってある典型的な観光地の有名店って感じですが味は確かです。蕎麦の香りが実に良い。

初めて来た時なんて美味すぎてお代わりしまくってたら店員のおb…お姉さん同士で「わんこそばじゃないんだから」と陰口言われまてしたがw

食べ盛り20代半ばだったんだからしゃーないやんw

そう、冗談はともかく、通常は3段で1人前なのですが、こちらでは1段ずつの追加が可能なので元々若干量が少なめなところ「ちょっと物足りない…」という方は2段ほど追加すると良いと思います。

あとこちらのお店の注意として、人気店なので繁忙期は滅茶苦茶混むけど予約はやっていないという点。

時間をずらすか覚悟を決めるかのいずれかでお願いします。

 

お腹も満足したところで15分か20分ほど歩いて先ほど少しご紹介した「島根県立古代出雲歴史博物館」へ。

見所のひとつは出雲大社本殿(想像)模型ですが、是非見ておきたいのは銅鐸や銅剣といった弥生時代と思われる出土品。

銅鐸は加茂岩倉遺跡で出土されたもので、一箇所からの出土例では日本最多の39口。

銅剣は荒神谷遺跡から出土されたもので、こちらも一箇所からの出土例では日本最多で358本。

古代出雲の力をその目で見ることができます。考古学好きな人にはたまらないかと。

鉄オタ的には北松江駅(現:松江しんじ湖温泉駅)の一部が移設展示されているほかデハ1形の前頭部が保存されているので是非見て。

 

博物館で頭を使ったら糖分を補給しましょう。

www.1031-zenzai.com

なんでも出雲がぜんざいの発祥らしいです。

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で、参道にこのぜんざい学会のお店があるので、ここで休憩。

暑い時期に餡子もなぁ…という気持ちもありましたが、案外スルッと食べてしまいました。

ちなみに出雲のぜんざいが食べられるのはここだけでなくて、大社周辺のカフェや蕎麦屋さんでも食べることができるので要チェックです。

 

この後は参道のお土産屋さんを冷やかしながら次の予定を待ちます。

次の予定は時間が決まっていて、しかも夕方にならないと意味が無いという…。

島根よいとこ一度はおいで~「たいしゃ」じゃなくて「おおやしろ」らしい~

いやー、ウマ娘が順調に進んでしまっています…。

めっちゃ久々ですね。
PCを買い替えたのでこれから頑張りたいと思います、と言いたいところですが。

 

…旅行の写真、大体前のPCのハードディスクに入ってるんだよな。

 

○京王と小田急の一体化、ってそれ大東急

島根の旅、三日目?です。

昨日の夕方も夕日が見られなかったわけですが、この日の天気は曇り。

パラパラと雨も降る瞬間もあり。本降りになければまぁいいか…。

朝食を摂って、9時過ぎにはホテルを出発。お世話になりました。

 

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さぁ、移動開始です。

今日は島根観光の定番、出雲大社へ向かいます。

松江から大社へは素直に一畑電車で。フリーきっぷもあるしね。

ガラス張りの駅舎を抜けてホームへ。

 

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待っていたのは元京王5000系。

一畑でも5000系。色々原形とどめていませんが。

この路線でこれが来るのは「当たり」です。

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なぜならセミクロスシートだから!

2+1なのでグループにもボッチにもやさしい。

そして転換クロスはともかく、二人掛けのクロスシートは実は元小田急NSE3100形の座席。

営業中は乗る機会がありませんでしたが、子供のころに海老名のイベントで車内開放していたときに座ったことがあり、遠い記憶を呼び起こされました。

そういえば「背もたれを起こして座席回転させる」座席はあのとき初めて知ったと思った。

横須賀線の平屋グリーン車が同タイプだった気もするがそっちに乗ったのはNSEより後だった。

そしてありがちな転換クロスより撮るべきは回転クロスの方だろうとあのときの自分に言いたい。

947に松江しんじ湖温泉を出発。さぁ出雲大社へ。

 

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松江しんじ湖温泉を出発すると、早速車窓には宍道湖が広がります。

むしろ松江側から乗ると早々にクライマックスが来てしまう。

いや、その先ももちろんいいんですけど「インパクトのある絵」はやっぱりコレなんだよなぁ…。

一畑も所謂地方私鉄、色々経営の厳しさを聞いているところですが(先般、経営再建計画が発表されていましたね)、軌道はちゃんと整備されていてローカル線にありがちな「激しいたて揺れ」はそんなになく、割と乗り心地は良かったです。

支援があるとはいえ、最近は新車の導入も進んでいますし。

 

そうそう、今回は時間の都合で泣く泣くカットしましたが、沿線にある「松江フォーゲルパーク」もお勧めスポットとしてよく名前が挙がります。

www.ichibata.co.jp

温室に咲く花々と飛び回る鳥が凄いらしいです。

というかこちらも一畑グループでしたか。

 

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松江から20分ほど、行程の半分弱のところにある一畑口でスイッチバック

かつてはここからその名のとおり一畑薬師まで線路が延びていました。

座席を回転させて自分たちも方向転換。

 

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向きが変わったのでちょっと前面展望。

窓が大きいので眺めも良好です。お母さん立ちっぱなのが大変そうですが。

しかしこのお母さんもそうですが、案外普通に沿線の人たちが乗っていました。

逆に観光客はクルマで移動しちゃうんですかねぇ。

 

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車窓は宍道湖から離れて田園風景が広がります。

島根の「きぬむすめ」という銘柄のお米が美味しいのですが、関東では売っているの見たこと無いですね。

震災で物流が滞ってたときに叔父が実家に送ってくれたのですが、非常食にしては美味過ぎるし、叔父は叔父で「送料の方が高くつく」と言っていたのを思い出しました。

 

平日だと松江からの列車は基本的に出雲市行きなので、大社方面と出雲市方面に分岐する川跡で乗り換える必要がありますが、この日は休日ダイヤ。

乗り換えなし、大体一時間で終点の出雲大社前に到着です。

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屋根ですっぽり覆われたホーム。

松江とはまた違ったターミナルっぽい駅です。

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反対側にはしまねっこが描かれた「ご縁電車」がいました。

中間車からの改造なのでパッと見分かりづらいですが、この電車は少し前まで東横線日比谷線に直通していたアイツです。

 

さて、出雲大社前駅は「神社の最寄り駅なのに何故か洋風」という駅舎で有名だったり。

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こんな風に高い天井にステンドグラスがはめ込まれています。

先に開業した国鉄大社線の駅が和風な造りになっているのに対抗したとかなんとか。

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レトロな駅舎に右の発車案内がよく似合います。

というかこれ、ダイヤ変わるたびに幕を発注するんでしょうか…。

そして電車の本数。少ないのは少ないのですが、時間一本はあるので観光で使うにはそんなに困らないです。

 

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駅舎はこんな感じ。

実は初めて見たとき「割と新しい」駅舎だと思っていました。

確かに改修工事はされているのですが、れっきとした昭和5年生まれの駅舎。

bunka.nii.ac.jp

というか昭和5年でこのセンスは凄い。一畑の人は先見の明があったようです。

時間は11時前。早速今日の目的地、出雲大社へ向かいましょう。