滞在3日目。
肝心のオーロラがまだ見られていない。
初日も2日目も早々に寝てしまっていて「真面目に見る気あんのか」と言われれば反論できませんが。
とはいえここまで来て流石に見られないままではマズいのも事実。
そこで妻と相談して飛び道具をかますことにしました。
「待ってて来ないならこっちから行ってやる」
スキーの後、ホテル内にあるツアー会社へ。
※ちなみに今宵の宿は初日と同じホテルです。
ここで「オーロラハンティングツアー」を申し込みます。
このツアー、文字通り「オーロラを探しに行く」もので「天気が悪いなら天気がいいところまで行けばいいじゃない?」という単純明快な発想によるもの。
但しオーロラは当然晴れているのが最低条件ではあるものの、観測地の暗さとかその他気象条件も影響するのでそこがツアーガイドの腕の見せ所といったところでしょうか。
ツアー会社に行くとカウンターの人は日本人でした。というかトナカイで案内してくれた人だ。
妻曰く「あの人、某なんでこんな所に的なテレビに出てた気がする」。
申し込みをしながら雑談。妻以外の人と久し振りに日本語使ってる気がする。
会社の人「日中は何をされていたんですか?」
僕「スキーやってました。」
会「あーいいですね!私はスキーとか止められているからできないんですよ。」
僕「??」
会「怪我して私が動けなくなると日本人向けツアーに支障が出るので…。」
僕「なるほど。」
唯一の存在っていうのはそれはそれで大変なようです。
ツアーは夜遅めの時間なので先に夕食を取ることにしましたが、申し込みのついでに夕食のオススメを聞いておく。
「ホテルのレストランもスープが美味しいですよ」ということなのでそれに決定。
やることやったし、ほかにやることもない(というか何かするにしても時間が半端)ので夜に備えて部屋で休憩して19時ぐらいに夕食。
こちらが夕食のスープ。肉と魚を頼んで妻とシェア。
どちらも美味しかったけれどもやはりサーモンは特に美味しい。
ちなみにフィンランドのスープは日本の味噌汁的な立ち位置のものもあるけれど、このスープのようにフツーに一皿で食事になるものもあります。
さて、21時前。
泊まっていたホテルと違うホテルが集合場所なのでそちらに移動。
ホテルに着くとあんまり広くないロビーに結構な人数の日本人が。トナカイ以外で日本人と全然会わなかったのはなんなんだろう…。みんな昼間はなにしてたんだ。
「あらー新婚さん?」
たまたま空いていたベンチに座ると、隣にいたおばちゃんから話しかけられる。
海外で出会う日本人のおばちゃんはよく喋るイメージ。
よく喋る積極性があるから海外を楽しめているとも言えるかな。
彼女は前日もこのツアーに参加したが残念ながら見られなかったそうだ。
ツアーに参加すれば必ず見られる訳ではなく、あくまで確率が上がるだけ、ということである。
うーん…サーリセルカ滞在は今夜が最後だからなんとか見たいものだが。
しばらくしてバスが到着、ツアー参加者が呼び出される。
バスは立派な観光バス。日本のオタク的に言うと「中扉とトイレの付いたスーパーハイデッカー」。淡路交通のエアロがSHDになったって感じです(伝われ)。
それは置いといて。
走り出したバスは北へ向かい始めます。
ツアーのガイドさん曰く「今日は多分北へ向かえば見える」と。マジか!!
途中、なにもない所に止まってガイドさんが外の様子を確かめながら進んでいきます。
そしてサーリセルカを発って3、40分くらいだったか。バスが止まり、降りてくださいという指示。
バスを降りると寒い。今までで一番冷える。特に足元。
導かれるままに進んでいくと開けたところに出ました。
ガイドさん、北の方を指す。
「あれがオーロラです」
凄い!!!
ホントに空にカーテンが掛かるんだ!!!
あぁ、これを見に来たんだ。そしてこれを見に来て良かった。
緑は緑なんだけど不思議な色。
自然現象故、時間の経過で少しずつ形を変えていく。同じものは無い。
この感動を忘れないために何度もシャッターを切った。
オーロラが見えるところは明かりの少ないところなのだが、つまりは星もよく見えるところでもあり。
写真でもわかる通り、そもそも星空が凄い。星が明るい。
さらにたまたま流れ星が流れたんですが、これがまた明るい。
たまたま空を見てたら流れた、というのではなく「光った」レベルの明るさ。あれじゃ流れ星じゃなくて隕石だ()
写真にも写りこんでいた。ちょうど画面中央、上のオーロラのあたりに左上から右下に線が。
これ以外にも分かりづらいが結構流れ星が写っていたのでそんなに珍しいものでもないのか
というかさっきからやたら足元が冷える理由。
下が川だから。
大丈夫なのかそれ?と一瞬不安になるけどもそこは真冬の北極圏。
人が乗ったくらいでは影響ないそうで。
広くて人工物もない川の上はむしろ観測には最適なのかもしれない。
…というわけでオーロラ無事見られました。
で。オーロラ凄い!となったのは事実なんですが、これが写真だとハッキリわかるんですけど肉眼だと空になんか白いモヤみたいなのが掛かってるなぁぐらいな感じなので初見だと確信が持てない。
オーロラをオーロラとしてちゃんと認識できる人にちゃんと現物を教えてもらった方がいいなと思いました。
ツアーに参加するのは遭遇確率を上げるのが最大の理由ですが、ちゃんとオーロラが認識できるようにするという点でも意味がありそうです。
そんなわけで色々ありましたがオーロラチャレンジ、3日目にして大成功!
さぁ明日はサーリセルカを後にして次の街へ向かいます。