シウマイ弁当が食べたい。
唐突に何を言ってるんだ感が凄いですが。
結婚するまで約30年、横須賀市民だった僕にとって崎陽軒のシウマイ弁当は身近な食べ物でした。
身近故にこれを食べることが当たり前で有り難みもなく食べていた節がありましたが、結婚して神奈川を離れてから無性に食べたくなることが増えました。中毒ですね。
◯シウマイ弁当の思い出
僕にとってシウマイ弁当は、時折母が外出して帰りが遅くなり「夕飯作る時間もないからこれでいい?」と出てきたご飯というイメージがあります。
本来?駅弁であるはずのシウマイ弁当ですが、県下ならどこでも買える、ごはんとおかずのバランスが良い、そして美味しいとあって割と普段使いするお弁当でもあり、我が家に限らず家で食べたという経験をしたことがある人も多いと思います。
「どこでも買える」とは言うものの、どのくらい店舗があるのかというと。
横浜駅は改札内外で相当な数の売店があり、県下のデパートというデパートにも出店していて委託販売も含めると数えるのも嫌になるぐらいのえらい数に。
子供の頃は年1でハマスタに野球を観に行っていました。
試合開催日には地下鉄関内駅の市庁舎出口のコンコースに立売りが出ていて、いつもここで弁当を買いスタジアムに向かっていました。
カクテル光線に照らされたグラウンド、それを眺めながら食べたシウマイの味がハマスタの思い出です。
考えてみれば僕にとってのスタグル(スタジアムグルメ)の始まりはシウマイ弁当だったわけですね。
ちなみにスタジアム内でも売っているのですが、外で買うより若干高いので我が家では必ず入場前に買っていました。
◯駅弁以上仕出し弁当以上
夕飯替わりにもなるこのお弁当ですが、仕出し弁当替わりに供されたことも多く(結局渡されることは無かったですが)2月のダイヤモンドプリンセス号への差し入れに代表されるように大量製造が可能でしかも割とギリギリまで個数変更が可能というメリットがあり特に天候に影響される系の大きなイベントでも重宝されています。
個数変更に対応できるのは、増減分を広大なネットワークを有する売店への出荷量をコントロールすることでムダをなくせるからだとか。
横須賀市内にある父の職場でも時折大人数の集まる食事付きの会議があって、この利点を生かしてシウマイ弁当を配っていたそうです。
シウマイ弁当なら味も確実だし、個数変更も容易とあって発注側からも食べる側からも好評だったそうですが、「以前から取引してる弁当業者があるんだからそっちを使え」と上から怒られてしまったとか。
それぞれの立場も分からないでもないのですが、まぁ大人の世界は厄介です。
>崎陽軒 お弁当の配達
シウマイ弁当に限り(繁忙期を除き)当日キャンセルOKはスゴい…。
◯貴方の推しは誰ですか?
以前、JR東日本の車内誌トランヴェールの巻頭コラムでシウマイ弁当のおかずをアイドルに喩える話がありました。
シウマイがナンバーワンだとしてもそれを取り巻く多種多様なおかずがいるからセンターのシウマイが際立つ、まさしくアイドルグループというわけ。
そんな僕らのアイドルグループ「シウマイ弁当」ですが、絶対不動のセンターはシウマイとしても意見が割れるのは二番手のおかず。
筍?マグロ?唐揚げ?はたまた卵焼き?
僕の推しはやっぱり筍。ほんのり甘くて昔から変わらず好きなおかずです。
逆にマグロの漬け焼きは子供の頃はどちらかというと苦手でしたが、お酒を飲むようになってからあの味の濃さが堪らなくなり、最近は僕の中で人気急上昇。
ちなみにどんなにメンバー内競争があるとしてもトリを飾るのは杏子で、というのは30年来のマイルール。
◯正しい弁当の向き
Twitterで「妻がシウマイ弁当を買ってきてくれたので写真をアップしたら『向きが間違っている』と怒られた」というツイートがありました。
その人はご飯とおかずが左右になるように撮っていましたが、正しくは「ご飯が手前でおかずが奥」という主張です。
言われてみれば、常にそのスタイルで食べていたし、なんなら最初の写真もそうやって撮っています。
無意識のうちにやっていたので幼い頃からの刷り込みとは恐ろしい…となったのですが、弁当の掛け紙に正面から向いてそのままフタを開ければご飯が手前になるのでなんら不思議なことではなかったですね。
しかし何故この「ご飯手前で奥おかず」スタイルになったのでしょうか。
御膳の並べ方の手前にご飯(と汁物)、奥におかずというところから来ているのか。
あるいは狭い電車内で食べる時に食べやすいように縦向きを基本とし、重量のあるご飯を手前にして持ちやすいようにしたのか。
案外単純に掛け紙のデザイン上の都合、とかだったりして。
◯横浜工場謹製原理主義
なにやら物騒な見出しですが。
地域密着を標榜とするシウマイ。実際に店舗展開しているのは南関東に限られています。
>崎陽軒のシウマイ、社長が胸に刻んだ「真にローカルなるものがインターナショナルに」
それでも販売エリアが広く製造量も多いため、製造工場は第三京浜の港北インターそばの横浜工場と江東区の東京工場の二つがあります。
で、見出しの話になるのですが、横浜製のシウマイ弁当と東京製のシウマイ弁当は別物だというのがシウマイクラスタの見解。
というのも、横浜製のシウマイ弁当は容器と蓋が経木なのに対して東京製は蓋がボール紙のためご飯の水分の吸い方に差がありそれが味の違いになるようです。
そして「横浜工場製の方が水分をよく吸っていて美味い」と…。
今の生活圏にも崎陽軒の売店はあるのですが、いずれも東京製。この話を知ったこともあり、味の違いにショックを受けるのではないかと心配で未だに東京製を食べたことがありません。
いつかは自分の舌で比べてみたいとは思うのですが…。
そういえばこれも神奈川県内のどこのおうちにもあるアイテムですね。コレクターも多いようで。