Tokyoを回避せよ
久し振りに書いてます。
いや、仕事で色々あったりで中々進められず…。
一応、フィンランドの次は取り掛かっています。
さて、Go Toキャンペーンも始まり、少しずつ動き出している人も多いようですね。
僕はというと、まぁ小さい子供もいるしそもそも気軽に遠出も出来ず。今年になってから埼玉千葉東京神奈川以外行っていないです。
行ける人は対策を怠らず、楽しい旅を。
それにしても半年前は「東京ロックダウン」なんて話もありました。
結局実行されませんでしたが、仮に東京が封鎖されると、千葉や埼玉から見て東京を挟んだ向こう側にある神奈川に行かないといけなくなったらどうすれば良いのでしょうか?
答え。海を越えましょう。
その1 アクアライン
実は、千葉にいた頃にこの「東京に触れずに横須賀へ帰る」というのを2パターンやっておりまして。これがそのうちのひとつ。
川崎と木更津を結ぶ東京湾アクアライン。
当初は「無駄な公共事業」として散々叩かれておりましたが、今は通行料の値下げもあって週末は渋滞のメッカになるほどの通行量。
都心から南房総方面への最速ルートにもなっているほか、湾岸線や京葉道路の迂回手段としても活用されています(たまにリムジンバスが迂回するそうです)。
また、木更津側では対岸の川崎に留まらず、都心に通勤する人が居を構えるパターンが増えているとも。
そんな通勤客の足にもなっているのがアクアラインを通る高速バス。
実際、いくつかの路線には定期券が設定されていて(運賃はかなり高いですが)、以前は平日の朝にはバスターミナルに行列ができるほどでした。
アクアラインを通る路線はいくつかありますが、今回の東京回避ルートに当てはまりそうなのは木更津から川崎行きか横浜行き。あるいは五井から横浜行きあたりでしょうか。
そんな中、実際に乗ったのはこの中の木更津から川崎行き。
川崎側は川崎鶴見臨港バスと東京ベイサービス、木更津側は小湊鐵道と日東交通の4社で運行しており、この時は東京ベイサービス便。
この会社は、元々川崎木更津間を結んでいたフェリーが廃止になった際に離職者対策として誕生したバス会社で、同様の理由で生まれた会社は瀬戸内あたりにもちょいちょいあったりします。
東京ベイサービスのURLを載せようとしたら、この令和の時代に会社の公式ホームページが存在していないことを知りました…。まぁ路線が1本しかないし必要ないといえばそれまでですが。
あと、この会社の便だとICカードが使えないというネックがありますが、代わりにWiFiが飛んでます。
この海上区間を走るのがアクアラインの一番の良さ。橋の長さもあって海の上感が凄い。
瀬戸内海の橋よりも海面まで低いので「飛んでいる」感覚が味わえます。
まぁいつも風が強いので自分ではあんまり運転したくないんですけど()
川崎線は途中、海ほたるにもバス停があって一部便を除いて川崎からでも木更津からでもどちらでも乗降可能。
クルマが無いと行きづらいパーキングエリアを楽しむことができます。
海ほたるを過ぎるとシン・ゴジラで非常用通路が出てきたアクアトンネルを通り、地上へ出るとそこは川崎。無事に東京を通らずに神奈川へ脱出成功です。
地上へ出て高速を降りてすぐに浮島バスターミナルというホントにターミナルと言って良いのか分からないレベルに何も無いバス停に着きます。
この時はここで降りて、川崎駅行きの普通の路線バスに乗り換え、地下化された産業道路駅を見に行きました。
因みに浮島バスターミナル。周りは工場と倉庫があるだけの場所ですが、写真の高架道路の向こう側に浮島町公園という広い公園があって、そこから羽田空港を離着陸する飛行機がよく見えて撮影スポットになっています。
そう、浮島バスターミナルは川崎いえども多摩川の河口そば。すぐ向こうは東京都です。
なので、東京を通ってはいないもののほぼ掠めているようなもの。
「もうちょっとしっかり東京を離れたい」という方は次のルートになります。
その2 東京湾フェリー
アクアライン開業前は南房総への最短ルートとして知られていましたが、アクアライン開業と房総側の高速道路延伸で需要減、さらに原油高とかなり苦戦を強いられているようです。
しかしながら、国道16号線の海上区間という役割を持っていて、三浦半島の行き止まり解消という意味もある航路なのでどうにか頑張ってもらいたいところです。
このルートを実行するのはちょっと大変で、なんせ金谷まで行かなければならない。
アクアラインバスの場合は木更津か五井へ出ればよく、そこまでであれば千葉から電車の本数もそこそこあるのですが、金谷港の最寄り駅浜金谷の本数は一時間に一本程度。
かつては特急が1,2時間に1本走っていたものですがこちらも通勤ライナー的な君津発着の数本と行楽客向けの週末の数本を除いて廃止。本格的なローカル線に比べればまだマシなものの、ちょっと行くのに覚悟が必要です。
なお、特急減便の理由はアクアライン経由の高速バスに人が流れたからだそうです。
で、実際行ったときはどうしたかというと。
週末の数本の特急を使いました。
普通列車でも良かったのかもしれませんが、時間が良かったのと、久しぶりに房総特急に乗りたかったのと、地味に混む内房線が引っかかり…。
それなりの時間乗っていたし、普通列車で移動した場合の接続も微妙だったので十分特急に乗った意味はあったかなとは思いましたが。
自由席でしたが夏も過ぎていたこともあり途中からでも余裕の着席。
使う側からするとありがたいことですが、これだから特急が廃止になるんだよなぁ…。
列車は君津を出てしばらくすると車窓に海が見えてきます。
大貫あたりで緯度的には横須賀の中心街あたりなんですよね。金谷はもう少し先なので、結構南まで下がることになります。
かなり海沿いまで迫ります。
11時前に浜金谷に到着。
島式ホームの交換駅。有人駅ですがホームに屋根は無いし(待合室はある)改札へは階段のみ。
昔ながらの観光拠点駅といったところです。
ホームの南端、奥に見えるのが景勝鋸山(だと思う)。
雑草の生える単線で完全にローカル線雰囲気なんですが、これでも以前は特急街道だったし、今でも都心からも二時間程度の距離なんですが…。
跨線橋を上ると海が見えます。こちらが金谷港方面。
よく見ると遠くに富士山見える?
駅舎もなんだか懐かしい雰囲気。
駅前は広場になっていますがバスの乗り入れはありません。
タクシーは居たかなぁ。呼べば来る感じだったか。
駅を出て真っ直ぐ進むと国道に突き当たるのでこれを右に。進行方向的には戻る感じです。
テクテク海沿いだけどあんまり海が見えない道を10分程歩くと、大きめのお土産センターと広い空間が現れます。
ここがフェリー乗り場です。正面は車両待機場所ですね。
よく見ると既に乗船が始まっているので誰も居ません。そもそもここが列の先頭なのか後部なのかは分かりません。
そしてこのタイミングで既に乗船が始まっているということは急いで行くか諦めて次を待つかの選択を迫られている、ということでもありますが…。
駅にはバスは来ませんが港にはやってきます。
ひとつは房総半島を横断して鴨川へ向かう路線、もうひとつは千葉方面に戻って上総湊へ向かう路線。
どちらも本数は少ないので実用できるかは別問題。
で、今止まっている便に乗るか乗らないか悩んだ結果、急ぐ旅でも無いので一本送ることにしました。
それでも先に乗船券だけでも買っておこう、ということでターミナルにやってきました。
ターミナルで是非見たかったのがこの運賃表。
実にレトロな雰囲気ですが、天空橋が開業しているので1998年以降のもの…のはずだけど川崎レジャーセンターってそんな最近まであったっけ…?
以前は上からテープべた貼りじゃなくて部分的に直していた可能性否定できない。
これから乗る東京湾フェリーは京急と連絡運輸をしていて、金谷港→船で久里浜港→バスで京急久里浜→電車で京急線各駅の切符を購入することができます。
鉄道と船の連絡運輸も昔は結構あったようですが、今パッと思いつくのはこの東京湾フェリーと南海フェリー、それから三池島原ラインでしょうか。
券売機も昔京急で見た記憶のあるタイプでした。
高額紙幣に対応し始めたタッチパネル式の一世代前ですね、懐かしい。
因みに先程の運賃表、色々時代を感じる作りになっていて注目ポイントだったのですが、残念ながら先日交換されてしまったそうです。
まぁいつまでもテプラべたべたじゃ見栄えが悪いですからね、仕方ないです。
こちらが購入した乗車券(乗船後に撮影したため入鋏済)。
パッと見ると普通の切符ですが、磁気券じゃないのです。
つまり、京急で乗り降りする時は有人通路を通らないといけません。
最近、切符すら買わないのに自動改札が使えない切符とは色々懐かしいです。
さて、敢えて便を遅らせたのは理由がありまして。
金谷は鋸山が有名ですが、それに加えてアジが美味いと評判の地でもあります。なので…
頂いてきました。
肉厚でジューシーでこれは並んで食べる価値がありますね。
この時入ったお店はおじさんが脳内で独り言言いながらご飯食べる某ドラマに登場したところ。
開店30分前に並んで入店に30分掛かりましたが、我慢して並んだ甲斐がありました。
しかもこの日は不漁で数が少なく、後から来た人はそもそも食べられなかったようです。運が良かった。
他にもアジをはじめ美味しいものを出すお店は幾つかあるので色々食べてみたいですね。
あと、港の目の前にあるお土産センターで売っているバームクーヘンが美味しくて人気らしいのでこちらも是非(こっちは食べていないので味は不明)。
お腹も満たされたところで港に戻りましょう。ぼちぼち入港時刻です。
港に戻ると日に数本の路線バスが止まっていました。
このタイプも都心じゃ見なくなりました。
フェリーは既に到着済み。乗船も始まっていました。
歩行者は一旦フェリーターミナルの建物に入って、中の改札をくぐってボーディングブリッジから乗船します。
金谷と久里浜では乗下船口が固定のようです。
降りるときはここから。
船は4層構造になっていて、下から車両甲板→客室(一部車両甲板)→客室→デッキという感じ。乗り込んでからそのままデッキまで上がります。
既に三浦半島が目前です。近いな、おい。
お尻?のほうには鋸山。数年前に社員旅行で登っているので今回はスルー。
久里浜から来たら来たで「南房総 金谷」の看板をくぐって向こうに鋸山、というシチュエーションはなかなかテンション上がりますねこれ。
ちなみにデッキには観光船のようにテーブルと椅子が並んでいて、気候が良い時期ならば客室に入らないでここで潮風を楽しむなんてことも可能です。
上の客室。後方はソファ席。
中央部には売店があって飲み物やお菓子のほか、三浦と房総双方のみやげ物などを購入可能。
前方は一般的な椅子席。
そんなに人が乗っている印象はなかったのですが、それでも最前列は人気の席。すっかり埋まっていました。
乗ったのはかなや丸のほう。これとしらはま丸という船で運航されています。
席に座っていても良かったのですが、せっかくなのでデッキへ。
基本的に久里浜と金谷で同時刻出航なので、概ね航路の真ん中あたりで久里浜からの便とスライドします。
対向の船、久里浜の発電所とそこから延びる送電線、さらにその向こうに富士山が。
もうちょっと天気が良ければなぁ。
進行方向の反対側には第一海堡?よーく見ると奥にスカイツリーが見えますね。
あと羽田の管制塔?らしきものも。
しらはま丸とスライド。
船体にでかでかとチーバくんが描いてありますね。
…肝心の金谷は見えませんけど。
そして30分そこそこで見慣れた久里浜の港が目前に。花の国の看板も見えますね。
無骨なボーディングブリッジと歩行者用通路。降りるときはここを通ります。
そして接岸。
しっかりと繋がれました。無事に久里浜港に到着です。
船内でも到着の案内放送が流れたので、名残惜しいですがぼちぼち下船しましょう。
というか、そもそも乗船時間が40分ですからね。あっという間ですよ。
「上の」車両甲板。ラインは二輪車向け?
一応、セダンぐらいのサイズの乗用車を載せることができるようです。
ここまで満載になったことも過去にはあったのかもしれませんね。
今は虚無の空間。
人間は右上のブリッジを渡ってフェリーターミナルの二階に出ます。
お世話になりましたかなや丸。
本当に景色を楽しみ、スライドする船を眺めたりしているとあっという間の40分でした。
なかなか機会が無いかもしれませんが、電車でもクルマでも非日常感を味わうには最高の東京迂回ルートだと思いますよ(そもそも迂回が非日常ですけど)。
なお、気をつけておきたいのはここから久里浜駅へ向かうバスですが、特に船と連絡しているわけではないので地味に待たされることがあります。
このときもそこそこのロスタイムがあって正直歩いたほうが早いんじゃないかとも思ったのですが、そうすると連絡乗車券のバス代が勿体無いので大人しく待ちました。
と、ここまで長々と「東京を通らずに千葉から神奈川へ向かう」方法を書いてきましたが(いやこんなに長くするつもりは無かった)、とりあえず東京湾を横断できればOK、ということです。
ちなみに陸路で行こうとすると、クルマなら秩父から雁坂トンネルを抜けて山梨県に出て、国道20号で東へ向かえば相模湖=神奈川県に出られますが、そのまま東へ向かい続けると東京都に入ってしまうので相模川に沿って南下する必要があります。
公共交通だと…北陸新幹線で佐久平→小海線で小淵沢→中央線で相模湖、でしょうかね。
一応、そこからバスを乗り継いでさらに橋本に出られるようですが。
あと、クルマで埼玉から千葉経由で東京湾横断する場合は注意があって、大体埼玉県内からだと外環で千葉に出るのが一番楽なのですが、実は一瞬だけ東京都を通過している(金町あたり)ので、そこだけ上手いこと回避してください。