また海沿いに戻ってきました。朝からこの電停周辺来るの何度目でしょうか。
次の目的地、スオメンリンナは要塞の島。船で渡ります。
で、その船の乗り場がこの近くというわけです。
乗り場に向かうと出航直前。写真を撮る間もなく乗り込みます。
運賃は1日券で乗れるので不要。この船もヘルシンキ交通局が運営しているのです。
港を離れていざ島へ。
さっき陸から見たストックホルム行きの船を海から。
横付けしている船はタグボート?それにしちゃでかい気がする。
海面は「凍結」までいかなくても流氷でいっぱい。
そんだけ寒いってことなんでしょうね…。
船はこんなに氷当たって大丈夫なんでしょうか。
船内にはこれから行くスオメンリンナの地図が。
ひとつの島ではなくいくつもの島によって構成されていることが分かります。
とはいえ、観光地として実際に上陸するのは中央のいろいろ書いてある大きな二つの島。
乗っている船は北側の港に着きますが、夏季の臨時便だと南端からの発着があるそうです。
北で降りて南に歩いて南から本土に戻れれば効率的なんですが、残念ながらこの時期は運行が無いので大人しく島内を往復します。
15分ぐらいで到着。スオメンリンナ。
フィンランド(スオミ)の城(リンナ)でスオメンリンナ、だそうです。
それこそ270年ぐらい前から軍事施設として使われて、国が変わってもやっぱり軍事施設。
そら首都の手前におあつらえ向きに島があればそうなるよなぁと。東京も猿島とかあるし。
乗ってきた船。
雰囲気としては瀬戸内海の本土と島を結ぶフェリーに近い。
それにしても冬だというのに結構人が乗ってました。
島としてはそこそこの大きさがあって、何気に普通に人が住んでいます。
フェリーを交通局が運営しているのもそう考えれば納得。
人は住んでいても商店は1軒ぐらいしかないのでちょっとした買い物ぐらいならともかく、それなりの買い物をするためには海を渡らないといけません。
まぁ船は本数あるし運賃も安いしバスで街に出る感覚で海を渡っているんでしょうかね。
島に上陸して最初に現れる建物のひとつ、スオメンリンナ教会。
一時的にロシア正教だったことがあるそうですが、現在はルーテル派。
したがって雰囲気は大聖堂に近いです。
島内の建物は基本的に石とレンガ積み。
3枚の写真のうち上2枚はなんか意図を持って建物を撮ったはずなんだが…なんだっけ。
2枚目はたしか図書館だった。
一般に観光向けの「スオメンリンナ」は実際には二つの島で構成されていて、北から行くと二つ目の島へ繋がる橋が掛かっている手前にビジターセンターがあります。
そこでは映像による解説や資料の展示があるので、ひとまず訪問するのが良いかと。
映像資料は日本語ガイドもあるので安心です。
そういえば入館料と引き換えに併設のカフェのコーヒー券くれたので実質入館料無料でした。
簡単に歴史を学んだところで橋を渡りさらに南へ。
ここから先は本格的に軍事施設跡になっていきます。
この島が凄いのは世界遺産なのに「よほどのところでない限りは基本的に自由」という点。
倉庫のような場所とか
雪に埋もれかかっている穴とかも入り放題。
ただの明り取りの穴なのか?
ここも入れます。頭上注意。
扉が外されていたり。
こんな南禅寺っぽい絵も撮れます。
いろんなところに入ることはできるんですが、まぁそこは所謂「自己責任」というやつです。
積極的に危険行動に出なければ特に危険な場所ではないのですが、まぁ気をつけてください。
さらに南を目指し歩いていると。
おっ?これはドライドック。
奥にそびえるはガントリークレーン?
雪に埋もれたドライドックを一望。
特に今は軍用というわけではなさそうです。
規模としては大きくはありませんが、ちゃんとしたドック。
どうしてもオタクなのでこういうのを見てしまうとテンションがあがってしまう。
ドックからさらに10分ぐらい歩くと南端にたどり着きます。
南端、即ち最前線。
大砲が南を向いて並んでいました。
小高い丘になっているので遠くまで見通せます。
かつては向こうの方から軍艦が来てそれに対抗するために先ほどの大砲を活用していたんでしょうね。
要塞感が満載で、丘と建物が一体化しています。
写真を撮っているところもそんな感じのところで、ご覧のとおり建物の2階か3階ぐらいの高さがあります。
このまま降りられそうにも見えますが、ただでさえ雪が積もっているのにかなりの傾斜があって、現実的な選択肢ではなさそうでした。
ちゃんと階段やスロープが整備されているのでそっちを使いましょう。
自己責任とはそういうことです。
さっきの写真だと別の島が写りこんでしまっていましたが、実際水平線まで見通せるぐらいのところもあります。
こっちの方が最前線っぽいですね。
そうそう、ここも穴に入り放題。
こんなところでかくれんぼやったら永久に終わりません。
廃墟、というわけではないですが廃墟好きな人は時間があっという間に過ぎるかと。僕は過ぎました()
遺構を眺めながら当時に思いを馳せていると時間なんてあっという間ですよ。
そんな思いは馳せていない妻をいつまでもここに立たせるわけにはいかないので先に進みます。
門が見えてきました。ある意味、この島の観光における最終目的地です。
門の向こうも海。
海側から見るとよくアニメとかで見るやつでした(外からの侵入を防ぐために鎖を引っ張って門を閉めるやつ)。
キングスゲートというそうです。
記載は英語ではないので分かりませんが。
位置的にも一番攻めて来やすいところなのでしょう。
敢えて門を作ってそこで集中的に跳ね返す、という発想もありますね。
碑の両サイドに見える穴からは攻撃するためのものでしょうか。
日本の城も穴から鉄砲撃ってましたけど。
そうやって考えると城の基本的な発想というのは日本も西洋もあんまり変わらないような気が。
全体像はこんな感じ。
冬は雪に埋もれていますが、夏は先ほどの大砲のところを含めて緑に覆われて美しいそうです。
これで島めぐりはおしまい。港に戻ります。
途中のこの道も攻められたときに進撃しづらくするための構造なんでしょうか。
帰りは若干行きと違うルートを通りつつも立ち寄りスポットも無かったので港に戻ってくるまで30分も掛かりませんでした。
船の時間までは、島内で営業していた数少ないお店を冷やかしたり案内所の展示を眺めたりして過ごしていました。
出航時間前に外で待っていると向こうからフェリーが到着。
行きは撮ってる余裕無かったですけどこんな船です。
一応、屋内客室もあります、というか往路は屋内にいました。寒いし。
そこそこの人数が乗ることができますが、人の増える夏だと積み残したりしそうですね。
3時間ほどの滞在でスオメンリンナを後にします。
個人的には遺構とか好きなのもあるし、写真撮ってると絵になるし満足しました。
帰りは甲板で景色を楽しみながら。
風が思いっきり来るので寒いですけど、往路か復路、どっちかは外にいた方が楽しいですよ(もちろん風邪引かないように気をつけて)。
景色を眺めてると、島が点在する狭い湾内ですが船はそれなりに行き来していたように思います。
きっと大型コンテナなんかはもっと広い港で荷役しているんでしょうけど。
ヘルシンキに戻ってまいりました。
時刻は16時半。流石にいい時間なので、一旦駅へ戻って荷物を取って、今夜の宿へ向かいます。
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スオメンリンナですが、今回立ち寄ったのはせいぜいビジターセンターとちょっとしたスーパーぐらいで後は実質遺構めぐりでした。
というのも、全力で遺構めぐりがしたかったわけではなく単純に「冬は何もやっていない」のです。
島内には潜水艦をそのまま使った資料館やスオメンリンナが活躍した戦争を扱った博物館など見所満載なのですが、そのいずれもが冬季休業。
なんならカフェやレストランも閉まっています。
夏は観光地としてもそうですが、海のリゾート的な使われ方もして人が集まるそうで、それと比べると冬はかなり静かな様子。
逆に言えば人が少ない環境で写真は撮りやすいし、静かだし、雪に覆われて綺麗だしで楽しむことはできます。
オーロラ絡みのツアーではヘルシンキの滞在時間が1日から2日のケースが多く、そうすると「めぐるところを絞らないといけない」ことになる上、このスオメンリンナのように冬は閉まっていたり規模が縮小したりしている施設も多いので、周りたい所の優先順位はしっかり定めておきたいところです。