ヘルシンキ大聖堂を出て次の目的地へ向かいます。
歩いて10分もしない距離のところになります。
途中、渡った橋の欄干?に無数の南京錠が取り付けられていました。
こういうのって日本だけだと思っていたんですけど世界的にやっているんですね。
ちなみになんでこの橋がこうなっているのかは分かりません()
橋を渡った先にある丘の上、目的地が見えてきます。
ウスペンスキー寺院といいます。
ヘルシンキ大聖堂はルーテル派なのに対して、こちらはロシア正教。
白い壁に対して茶色のレンガ。
建物の造りから全く別のモノになっています。
確かに言われてみればロシアっぽさがありますね。屋根の上のたまねぎ?とか。
しかし他国の宗教事情というのが全くわからないので異なる宗派がこんなすぐそばにいて大丈夫だったのかとか余計な心配をしてしまいます。
入り口の上には絵?が。
撮るの遠すぎましたね。なにがなんだか。
でも雰囲気はやっぱり西洋の宗教画っぽい。
ググれば日本語で解説してくれているサイトがいっぱいあることでしょう(他力本願)。
さぁ、中に入りましょう。
扉を開くと赤い絨毯の敷かれた階段が目に入ります。
いや、予想外の構造でした。すぐ座席が並んで正面に祭壇があるものだと思っていましたから。
これが標準なんでしょうか。あるいは地形的な問題でこうなったのか。
いずれにしても、あえて建物の中に階段という中が見えなくなる構造のワンクッションがあることでその奥に対する期待感が高まります。
うわぁ…。
大聖堂は外観同様に内部も白基調でシンプルな感じでしたが、こちらは実に色鮮やか。
随所に絵が入り、照明の彫刻や壁の装飾など実に細かい。
こういう差はその宗派の価値観とかそういうところの差なのでしょうか。
どちらも違った美しさがあるので、こういうとき宗教がちゃんぽんと言われる日本人は素直にそれぞれのいいところを楽しめるメリットみたいなのはありますね。
そしてこちらが祭壇。
中央上段がキリストで、その周りが12使途だそうです。
もうちょっと各々を近くで見られると良かったかもしれませんね。
とはいえ、これ多分祭壇だけじゃなくて壁や天井なんかも含めて世界観を表現してますよね。
後ろの壁は夜空みたいになっているし。仏教も天井まで絵が入るときありますし。
一応、外の明かりは入るのですがいかんせん曇っていて若干中は暗い。
壁画とかは逆に陽が入らないほうが良いのか…?定期的に補修が入るなら保存性よりは中が明るいという教会としての実用性の方が重要か…?
シャンデリアに刺さっているろうそくを全部つけたらどんな雰囲気になるのかは気になるところです。
幻想的な空間になるのか、単に薄暗くなるだけなのか。
それ以上に気になるのはこの天井。
何、この色鮮やかな青は。祭壇の裏の青よりやや明るいけどやっぱりこれも空みたい。
こんなに綺麗な青が出るものなんですね。
こういう道具類も何も知らない僕のような人間が見ても「綺麗だなぁ」ぐらいの感想しかありませんが、きっとそれぞれ意味のあるものなのでしょう。
ここに興味が沸くときっと別の方向のオタクになったり、何かこういうのが出てくる作品がより楽しくなったりするのでしょうね。
ところでこの教会、築年数はなんと150年。日本ではやっと開国して明治になった頃です。
気候から何から条件が違うとはいえ、そんな時代からこの規模の建物がフィンランドにはあったんですねぇ…。
あ、大事なことを忘れていました。ここも無料です。
観光客にとってはありがたいことですが、維持費とか大丈夫なんでしょうか…?
余計な心配は置いといて。次に行きます。
次の目的地へ向かう途中にあったこちら、大統領官邸だそうです。
案外、街のど真ん中に普通に建っているんですね。
ここまで市内移動は全て徒歩で済ませていましたが、ここから次の目的地までは距離があるので文明の利器の登場です。
ヘルシンキの市街地エリアというのは思いのほか広くなく、大量輸送機関がガンガン走るよりは中量輸送機関が程よく路線を広げる方が適当な街。したがってこいつの出番です。
ヘルシンキトラム。
あんまり趣味的なサイトが引っかからなかったのでwikipediaでごまかす。
繁華街と呼べるエリアや観光客が使いそうなエリアは大体このトラムで網羅。
当時は補助系統っぽい6T系統を含めて11系統存在していて、観光客は2・3系統に乗っておけば大体大丈夫、という感じでした。
あ、チケットは事前に購入済み。どうせ2日間しか滞在しないので、マーケット広場近くにあった観光案内所で1日券を買いました。
東京メトロと同様に1日、というか24時間券なので、今日1日観光とホテルへの移動で使うけど、明日はホテルから駅前出るだけしか使わない予定だったのである意味ちょうど良かったです。
あれから僅か2年しか経っておりませんが、時代は変わるもので今はモバイル化が進んでいるようです。
券売機でもチケットは買えますが、そもそも券売機のある停留所が限られているのでこちらにチャレンジしてみても良いかと。
そういえばヘルシンキといえばMaaS(Mobility as a Service)の最先端でしたね。
https://www.mlit.go.jp/pri/kikanshi/pdf/2018/69_1.pdf
まぁ、「移動手段の検索から決済まで一元に行うもの」とでも言えばよいのでしょうか。
日本でも実験が始まっているのでどうなっていくのか楽しみですね。
乗り込むんだらまずはリーダーにチケットをタッチ。
ここは日本の路面電車やバスと同様です。
1日券は初回のタッチが24時間のスタートとなり、2回目以降の利用ではタッチ不要。
乗車も降車も扉は指定されていないので最寄の扉から自由に乗り降りできます。
大事なこと言い忘れてましたけど、ヨーロッパ鉄道あるあるというかVRもそうでしたけど、無賃乗車がバレるとそこそこ高い罰金を取られるので、そういう不安から開放されるためにも乗車回数が複数回行くようであれば1日券買っちゃったほうが気持ち的にも楽だと思います。
車内はこんな感じ。アドトランツ製らしいです。
床から飛び出している台車部分に椅子が付いているのがいかにも超低床車って感じ。
広電にコンビーノが導入されて初めて乗ったとき「すげー!ホントにオールフラットじゃん!」と感動したものですが、今は日本でも超低床車が全国的に走るようになって、こんな車内の光景も珍しくなくなりました。
日本にもアドトランツというかボンバルの製品を新潟トランシスがライセンス生産を行っていて、そういう目で見ると確かに富山とか走ってそうです。
ところでこの列車、実は片運転台(方向転換はループ線)なので、最後部は客席。
進行方向向きに座席が付いているので、残念ながら後展望には不便ですが。
車内から大聖堂を眺める、なんてまねもできます。
歩いて見る街並みとまた違った見え方がするのがトラムの良いところ。
速度が程よいので飽きず見逃さずでちょうど良い。
2系統に乗って10分ほどで目的地最寄の電停に到着。
坂を上った先に見えるあの丸い屋根?が目的地です。
ていうかヘルシンキ、坂多いよね…。
次の目的はこちら。テンペリアウキオ教会。
別名「石の教会」と呼ばれています。
フィンランドに来てから伝統的建築物的な教会しか見てこなかったので「これホントに教会…?」ってなりました。
雪に埋まってるというか丘と一体というか。それでも教会です。
ここは入館料を払って中に入ります。
「丘に埋まっている」イメージでしたが、いざ中に入ってみると自然光がちゃんと入って思ったより開放感があります。
石、というかほぼ岩みたいな。半地下だからこそ意味を成すこの石。
そしてよりありがたみを増す外からの光。
美しい円形を描く天井は銅板だそうです。ここまで大きいと製作が大変だったろうなぁ…。
ともすれば圧迫感の出そうな銅板の天井は、その高さと光の取り入れ方、そして一本も無い柱のおかげでそんな感じはなし。
ついでに言うと接合部とかが気になる。
中央に置いてあるピアノで演奏が行われていました。
石の教会は音響的にもメリットがあるようで、こんな風に演奏会が行われるんだとか。
確かに程よく音が広がっていて耳に心地よかったです。
演奏するほうはそれなりに音を出さないと響かないので(特に吹奏楽なんかは)大変そうですが。
中は実は2階構造。こちらも上がれます。
2階席の下に階段があるのでそこから上へ。
2階に上がるとこんな眺め。全体を見渡すならこちらの方が良いです。
うん、素敵な空間。
当然上に来れば天井は近付きますが、意外とこの天井が近い感じが悪くない。外の明かりが近いからか?
正面左には教会の必須アイテム(でもないけど)、パイプオルガン。
やや小ぶりな感じはしますが、ここで弾いたらいい音出るんだろうなぁ。
その隣にはステージ?ひな壇?もあるので、ちゃんと聖歌歌ったりすることがあるんでしょうね。
この雰囲気見てると忘れそうですが教会ですし。
ピアノの奥にちゃんと祭壇あるし。
ここだけ見ると、洞窟の中の教会みたいに見えてくるから面白い。
流石、名建築の宝庫といわれるヘルシンキにおいて代表的建築物のひとつと言われるだけのことはありました。
いい音も楽しめたし大変満足。
レトロな建築物の多い街ですが、こうした近代的な建築も魅力ですね。