心地よい揺れはいい子守唄になっていたようです。
よく寝ました。
時刻は6時前。まだまだ早い時間ですが準備のために起床。
なんせヘルシンキ到着が6時25分とクッソ早いのです。上りサンライズかよ。
IC266だと夜遅くに街を出歩かなくてはならない心配をしなくて良いのはあるのですが、ヘルシンキ到着が早すぎるのがいただけない。
文句を言っても仕方ないので荷物をまとめて降りる準備をします。
外を見ると当然真っ暗だしまだ朝早くて明かりが付く時間でもないのですが、明らかに建物の気配がするところに来たことが分かります。
終点には少し早い時間に列車は減速を始め、おそらく初めて個室内に放送が入りました。
短く駅名を2回。パシラという駅に着くようです。操車場や車両基地を備える大きな駅だそうです。
そこから少し走れば終点。
ヘルシンキ中央駅に到着です。
高い屋根と頭端式ホーム…今までの駅とは全く違った雰囲気があります。
いかにもヨーロッパの始発駅といった貫禄がホーム上から既に漂っています。
ここまで乗ってきた客車。
ケミでは発車時間がなかったので外はちゃんと見られなかったのでここで撮りまくります。
こうやってみると結構2階高いですね。
車体にもリネンに描かれていたフクロウがいました。
そして左上。
サンタクロースエクスプレスの証、サンタマーク。
まぁぶっちゃけ「サンタクロースエクスプレス」と言いながらサンタ要素これぐらいですけどね…。
乗ってきた客車の番号。やっぱり付番の規則が分からない。
客車自体は160km/hで走行可能。広軌だし、軌道自体も悪くなかったのでそのぐらいの性能はあってしかるべきなのでしょう。
よく見ると台車も結構ゴツいですね。
寝台車で定員が少ないとはいえ、2階建てだしかなりしっかりした客室設備もあるし水も多く載せていそうだし車体重量は相当あるかと。
車体重量とかの記載なのでしょうが、トン表記が4つぐらいあるしどれが車体重量を示しているのか…。
それよか車両表記の上に何に使うか分からないコック類が丸見えで良いのでしょうか…。日本だと蓋ぐらいは付いてそうですが。
連結面は連結器は見えないものの、バッファ?が良く見えますね。
周りについている氷や雪で過酷なところを走行していることが分かります。
こちらが牽引機。ヨーロッパの電機らしいゴツい車体。
少々レトロチックなデザインですね。長旅お疲れ様でした。
車体中央に製造銘板とおぼしきものが。
よく見ると「MADE IN USSR」。ロシア製です。
確かに線路は繋がっているし、ロシアはこの手の製品得意そうですし。
客車は160km/h対応でしたが、牽引機は140km/hまでのようです。
wikipediaによると一時期160km/hで走っていたようですが、フルパワーだと牽引能力が落ちてしまうため新型機が導入された時に元に戻ったそうです。
ホームの向かい側には一般列車が止まっていました。
ロヴァニエミだと1日数本しか走っていない旅客列車ですが、流石にヘルシンキだと都市圏輸送があるので普通の通勤電車も走っています。
日本のように駅で改集札するわけではないので、路面電車のように車内にカードリーダーがあります。
ICでバツマークの付いていた犬、この車両なら乗れるようです。
乳母車?の上のアイコン、お酒の持ち込みはダメなのでしょうか。
日本の通勤電車は普通にみんなお酒飲んでますけどね…。
車止め。
日本でも車両はともかく保守車両や車止めには海外製品が多用されていますが、これも輸入されているのでしょうか。
他にも色々止まっていましたが、なんせ事前情報がなさ過ぎてどういう車両なのか不明。
西欧の列車情報は日本でも手に入るけど、北欧の、それもフィンランドの鉄道事情はなかなか出てこない。
「お前がそれをやるんだよ」と言われればそれまでなんですけど、流石にもう一度現地調査行く余裕は無いです…。
オタクのみなさん、北欧はブルーオーシャンだぞ!()
いつまでも妻を待たせる訳にもいかないので、適当なところで切り上げて駅舎内へ。
天井が高い。
「駅はその街の玄関口」とはよく言ったもので、その街に着いて最初に目に入る建物な訳だからこれがそのまま街の印象になりかねない。
首都の中央駅はやっぱりこのぐらいでないと。
日本の場合は利用者数が半端ないのでどうしても流動性や効率性を優先せざるを得ないところがあるので仕方ないと言えば仕方ないのですが…。
さて、ホテルのチェックインは14時からということなので荷物はコインロッカーへ。
地下にあるようなので階段を下りると、写真のように地下鉄の入り口が。
この旅では地下鉄を使うことは無かったですが、この地下鉄で郊外へ出たところにも見所はたくさんあります。
問題のロッカーのほうは流石に大きな駅なので数は沢山ありましたし、スーツケースの入るぐらいの大きなロッカーもありました。
さらには両替機もあるので、小銭がない!という時も安心です(高額紙幣は非対応だったかと)。
場所は地下の薄暗いところなのでちょっと怖いかも。
荷物を預けて身軽になったところで、朝食を食べに行きます。
時間は朝7時前。まだまだ夜の雰囲気です。
駅前とはいえ、日中ならば多くの人が行き交うであろうデパートの前も流石にこの時間では人通りは少ない。
日本だったら陽が昇るような時間でもこの暗さなので、余計に閑散としている感じがしますね。
街としては動き出していて、違う通りに出ればトラムはバンバン走っているし、人通りも少しずつ増えていきます。
…いや、運行系統違うんだろうけどダンゴ運転になってますね、トラム。
駅から歩いて10分ほどで目的地に到着。
ネットニュースのネタになるこのお店。
「店の名前決める時に地球儀回して『えいやっ』って指したところがエロマンガ島だった」という、店名もその決め方もそれこそマンガみたいなお店ですか、実はヘルシンキでも知られた名店だったりします。
このお店をチョイスした理由は別にネタにしたかった訳ではなく、純粋に朝の7時前にヘルシンキの街に放り出されてマトモに朝食の摂れるところがここぐらいという現実的なところです。
店内に入ると、右にショーケースに並んだ美味しそうなパンの数々。
左にイートインスペースといった感じで、開店からそれほど時間が経っていないにも関わらず既に数人の地元民と思しきおじさんが新聞を読みながら朝食を楽しんでいました。
フィンランドでパンと言えばシナモンロールですが、ここの名物はピロシキ。
お店のおばちゃんにも勧められたので、僕はピロシキとシナモンロール。妻は三角パイみたいなのとシナモンロールをそれぞれチョイス。
ドリンクはセルフサービス。お店のおばちゃんがわざわざカウンターから出てきて「やり方分かる?」と親切に教えてくれました。
そしてこちらが朝食のパン。
なんとなく見た目の雰囲気で分かると思いますが結構デカいです。
二つも食べれば割とお腹が満たされます。
味の方ですが、まずシナモンロールは甘すぎはしないけど満遍なくシナモンの風味がする感じで好みの味でした。
ピロシキの方は流石にオススメするだけあって特に美味。
中の具がしっかりしているのもありますが、パン生地が外のカリカリ感と中のふわふわ感が絶妙で、また食べたくなる美味しさでした。
妻が食べたパイも美味しかったようで、朝から満足。
冬の朝、北欧のパン屋の暖かい店内で美味しいパンの食事なんてなんと贅沢な時間だったことか。
早い方のサンタクロースエクスプレスだと、到着が早朝になりますが、そのままここでゆっくり朝食を摂って街が動き出すのを待つ、というコースはアリですよ。
満足したところで時刻は8時前。
空も少しずつ明るくなってきたのでヘルシンキ観光に参りましょう。