海に面した街、ケミに着きました。
さて、ここまで来たのは当然理由があります。
その目的を果たすために移動したいのですが、とりあえず手元のスーツケースをどうにかしたいと思います。
旅行代理店の説明には「駅にコインロッカーあるからそれを使ってね!」とあり、小さな駅ながらもちゃんとコインロッカーはありました。
8つぐらいしか枠ないし全部埋まっているけどな!!!!!!!
おいどうすんねん。
目的地まではせいぜい2km弱だけど雪道だしそもそもこんな重いもの持って目的地ウロウロできないでしょ。
とりあえずその場にいた清掃のおばちゃんに拙い英語で聞いてみるがそもそも会話が通じず。
駅の1ブロック隣がバスターミナルのようなので、そっちを探してみるがこちらはそもそもロッカー自体見当たらず。
気温でなく心理的に汗をかきながら続いて近くにあった市役所へ。
公的機関ならどこにロッカーあるかぐらいは分かるだろう…。
僕「(適当英語で)この辺に荷物預けるところある?」
役所の人「そんなものないよ」
僕「うぇっへぇへへへwwwwwwwwww」
仕方なく重いスーツケースを持って徒歩移動開始。
なお目的地にたどり着いたところで荷物を預けられる保障はない…。
そして駅の次に訪れたバスターミナルにタクシー居たのだから、少なくとも歩かなくても良かったんじゃないかということに気付いたのはこれを執筆している2年後。
除雪されているし高低差も少ないとはいえ、雪道を重い荷物を持って歩いて30分。
ようやくたどり着いたのがこちら。
雪の砦、の名を持つ「ルミリンナ」。
あんまり適当な参考サイトが見当たらなかったのでwikiでごまかす。
マンモスが迎え入れてくれます。
この建物、雪と氷で造られており、当然毎冬ごとに建て替えられるので同じものは2度とないわけです。
この手のものは大きさは違えど雪国ではたまに見かけるものですが、特にこちらのすごいところはホテルとしての機能を有しているという点。
個室、レストラン、チャペルまであるそうで、実際に泊まったとかさらには挙式したとかいう日本人もいるようです。
個人ブログや各種口コミサイトで実際に泊まった人の声が載っていますが、総じて「話のネタにはなるけど快適性は二の次」となっているところでまぁ…といったところでしょうか。
とはいえ、雪の建造物としては世界最大級、せっかく冬にフィンランドに来たからには見ておきたい、ということでオプションで見学コースに組み込んだわけです。
で、荷物。
マンモスの前に掲載した写真に写っている建物が案内所になっており、こちらで無事預かってもらえました(ちゃんとした預かり所、というわけではないところだったので無理して預かってもらったっぽい…)。
中に入る前に案内図を確認。
こうやって見ると単純な構造だなぁ、とは思いますが結構大きいです。
右上の案内所に「WARM CAFE」があるのがならでは、といったところでしょうか(案内所は通常の建造物)。
それでは入場。
中に入って最初の施設はレストラン。
氷の彫刻が映えますね。
雪と氷の世界ですけどちゃんと電気も通っています。
その電気の見せ方も雰囲気を壊さないでよくできています。
もちろん、こちらレストランとしての機能があります。
行ったときはレストランとしては営業していなかったようですが、カフェが営業中でした。
(もう少し奥にカウンターがあって、そちらで注文できた模様)
レストランを抜けた先の部屋はプレイルーム、とでも言えば良いのでしょうか。
氷の彫刻による遊び場がありました。
滑り台とか滑りはいいだろうけど転んだときが怖いですね…。
氷の顔出しパネル。透けていますが顔出しとしての意味があるんでしょうか。
氷の椅子。
妻に座っていただきましたが、敷いてある毛皮(トナカイの毛皮だそうで)のおかげでおしりは冷たくないそうです。
続いて教会へ。
こちらが教会というかチャペルというか。
構造上どうしても若干狭い感じはしますが、かなりちゃんとチャペルです。
そこそこの収容力もあるので、近しい人だけ呼んでの結婚式なら難なくできますね。
向かって正面に十字架、ではなくて、大きな十字架は左の壁に彫られていました。
どうしてこういう造りになったのかは気になるところ。
チャペルとして機能するときになにか意味が現れるのでしょうか。
ここから外に出られます。
というか、冬の間しか存在しない(できない)建築物であってもちゃんと非常口誘導灯は設置義務があるんですね…。
外は小さい展望台がありました。
奥は雪原。
ではなくて海です。凍っています。どこからが海なのか良く分かりません。
手前に並んでいるのは宿泊用キャビン。
「ルミリンナには泊まってみたいけどさすがに雪の中で寝るのはねぇw」という人が使うようです(言い方)。
冗談はともかく、海に面して街の明かりもないので北極圏からは外れるものの、運が良ければオーロラが見られることもあるそうです。
そして展望台にはもうひとつ設備が。
滑り台、ではなくスライダー。
ボートみたいなのに乗って滑り降りるやつです。
子供に大人気だったので恥ずかしさもあって僕は辞退しましたが、代わりに妻がチャレンジして楽しんでいました。
さて、中に戻りましょう。
続いてはここのメイン施設、とも言うべきホテルゾーン。左右の穴が客室になっています。
そのうちのひとつを覗いてみると
ダブルベッドがひとつあるだけの簡素な部屋。
電化製品など発熱要素のあるものを置くわけにはいかないのでホントに必要最低限の設備しかありません。
このベッドで寝るの?寒くない?と思うのですが、実際に寝るときには毛布の上で寝袋に入って寝るそうです。
そういう話を聞くと「そこまでして泊まりたいか…?」となってしまうのは仕方ないですね。
ついでにもうひとつ残念な話をすると、雪の砦の中にはトイレが無いのでいちいち外に出る必要があります。
ネガティブ情報はここまでにして。
各個室には壁に雪の彫刻が彫られていたり、雪像があったりします。
ウサギでしょうか?
影絵遊び?鳥?
そういうことでした。
次の部屋はどんな感じでしょうか。少し広いようですが。
うわっ、なんか出た。
なるほど、キングコング。
ベッドのつくりからして3人泊まれるようです。
しかし見上げればキングコングって…気持ちよく眠れるのでしょうか。
隣の部屋はこれ。
さすがにこれは分かりますね。
部屋の構造は再びダブルベッドですが、最初の部屋よりは広いです。
3匹の子豚ですね。
物語に疎い僕でもさすがに分かりました。
次の部屋。
たぶんアレかな?
ヒントは左下の鳥と正面の鳥は同じ、ということですかね。
みにくいアヒルの子、です。
あんまりじっくり見ていなかったですけど、かなり雪像も細かく作ってありますね。
冬しか持たないのが残念でもあり美しさでもあり…。
最後の部屋はこちら。
これ、日本人じゃないと分からなくないですか?逆に。
長靴を履いた猫でした。
実に日本アニメっぽい雰囲気でしたけど、参考にしたのってやっぱりアニメなんですかね。
これで一通り回りましたが、最後にレストランが人がいなくなったので改めて見学。
テーブルも氷ですが、実際に食事を摂るときはちゃんと料理が冷めないように工夫されているそうです。
テーブルが料理の熱で溶けても困りますし。
こういうのもよく似合います。
この時間でも軽食ぐらいは提供してくれたようですが、スタッフがいませんね…。
どうしても薄暗く重い雰囲気になってしまう雪の中ですが、照明を工夫することでそれも良さを演出するように造られています。
そもそも雪と氷でこんな巨大建造物を造っていること自体が凄いですが、中は中で繊細な彫刻が作られていて、わざわざ見に来るだけの価値はあるなと思いました。
氷のトナカイに別れを告げて次の場所へ。
しかし実に美しい雪と氷の世界でした。
人によってはディズニーのアレをイメージするそうで。
僕は見たことが無いので分かりませんが、あの作品が好きならなおさら見に行っても良いのかもしれませんね。
ちなみにツアーオプションとしてのお値段ですが、ロヴァニエミ-ケミの運賃と入場料でプラス1万円でした。
個人でやればもっと安くいけそうですが、ツアーの行程が基本から一部変わってしまうので今回は素直にオプションとして追加したです。
さて、次の予定は…未定。